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最終更新日:2024年1月10日
【需給動向:トウモロコシ】
世界の生産量は上方修正され、引き続き過去最大の生産見込み
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2023年12月8日、2023/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
これによると、世界のトウモロコシ生産量は12億2207万トン(前年度比5.6%増)と前月から128万トン上方修正された。今期は米国の増産などにより過去最大の生産量が見込まれている。主要生産国である米国、ブラジル、中国はいずれも前月から据え置かれたが、ウクライナ、ロシア、EUなどの上方修正が反映された。
輸入量は、世界全体で1億9153万トン(同11.3%増)と前月から166万トン上方修正された。地域別では、メキシコ(80万トン増)や東南アジア(10万トン増)などが前月から上方修正されている。
消費量は、世界全体で12億695万トン(同3.4%増)と前月から192万トン上方修正された。地域別では、ロシア(70万トン増)、メキシコ(30万トン増)、EU(20万トン増)などが前月から上方修正された。
輸出量は、世界全体では2億146万トン(同11.3%増)と前月から184万トン上方修正された。ウクライナ(100万トン増)、米国(63万トン増)などが前月から上方修正された。
この結果、期末在庫は3億1522万トン(同5.0%増)と前月から23万トン上方修正され、前年度からやや増加が見込まれている。
現地報道によると、通常、12月公表の予測値には大きな変化がみられないとした上で、南米のトウモロコシ生産量が民間予測を上回っていることから、ブラジルで報じられている乾燥気候の影響を踏まえ、引き続き生産動向に注視が必要とされている。
【需給、価格動向:トウモロコシ】
米国の生産量は過去最大、輸出量も前年度から大幅増の見込み
USDA/WAOBは同日、2023/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表2)。
生産量は、152億3400万ブッシェル(3億8696万トン(注)、前年度比11.1%増)と前月から据え置かれた。乾燥気候から当初は一部地域で単収の落ち込みが懸念されたものの、天候の好転や収穫面積の増加などから過去最大の生産量が見込まれている。
消費量は、123億9000万ブッシェル(3億1472万トン、同2.3%増)と前月から据え置かれた。
輸出量は、21億ブッシェル(5334万トン、同26.4%増)と前月から上方修正され、前年度から大幅な増加が見込まれている。
期末在庫は、輸出量の増加を受けて前月から2500万ブッシェル(635万トン)下方修正の21億3100万ブッシェル(5413万トン、同56.6%増)とされたが、引き続き前年度から大幅な増加が見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、14.7%(同4.8ポイント増)と前月から0.2ポイント下落しつつも、前年度を上回る水準が見込まれている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.85米ドル(718円。1キログラム当たり28.3円、同25.8%安)と前年度から大幅な下落が見込まれている。
(注)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
【貿易動向:トウモロコシ】
輸出量は前月から大幅に増加し、輸出価格は9カ月連続下落
2023年9月の米国のトウモロコシ輸出量は、317万4157トン(前年同月比24.9%増、前月比24.2%増)と前年同月および前月から大幅に増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格(注))は、1トン当たり243.8米ドル(3万6040円、同24.0%安、同12.1%安)と9カ月続けて下落した。
(注)リスク移転時(埠頭上または艀といった船べりに貨物が置かれた時点)までのコストであり、運賃や保険料は含まれない。
【貿易動向:コーンスターチ】
輸出価格は2カ月連続で上昇
2023年9月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万3852トン(前年同月比18.1%減、前月比10.1%増)と前年同月から大幅に減少したものの、前月からかなりの程度増加した(表、図)。
同月の輸出価格(FAS)は、1トン当たり926.2米ドル(13万7142円、同13.8%高、同2.2%高)と2カ月連続で上昇した。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、23年9月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり17.50米セント(注)(25.9円、前年同月比12.5%安、前月比5.8%安)と前年同月からかなり大きく、前月からやや下落した(表)。
(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
【生産動向】
主産地の2023/24年度のキャッサバ作付面積は前年度から減少
ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、23/24年度のキャッサバ作付面積はすべての主産地で前年度から減少すると見込まれている(表)。同国では高温と少雨が続いたことで、作付面積のみならず収量の減少も予測されている。北部のソンラ省では、多くの地域で乾燥気候によりキャッサバが枯死し、植え替えに必要となる十分な量の苗がないことから、作付面積の減少が見込まれる。また、中部のダクラク省とフーイエン省では、相場が高騰しているサトウキビなどへの転作が進んだことや、悪天候によりキャッサバの優良苗の供給がひっ迫していることから作付面積の減少が懸念されている。また、同国全体のキャッサバモザイク病(注1)は11月9日現在、合計5万844ヘクタールで感染が確認され、前月比で5.9%減少したものの、引き続き同病による被害の発生が続いている(注2)。
(注1)ウイルスの感染によって葉に黄化斑ができる病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアの一部で流行が確認されている。
(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。
【貿易動向】
10月の輸出量は前月から大幅に増加し、輸出価格は上昇
AgroMonitorによると、2023年10月のタピオカでん粉輸出量は、23万313トン(前年同月比19.9%増、前月比18.6%増)と前年同月および前月から大幅に増加した(表)。
同月の輸出価格(CFR価格(注)・中国向け)は、1トン当たり541米ドル(8万106円、同15.6%高、同1.3%高)と前月から上昇した(図)。
(注)リスク移転時(船上に貨物が置かれた時点)までのコストおよび運賃を含み、保険料は含まれない。
タイおよびベトナムのタピオカでん粉の需給動向は2024年1月号より隔月の更新となりました。タイの需給動向は来月号の掲載となります。 |
【貿易動向】
輸出価格は6カ月連続下落
2023年9月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万3931トン(前年同月比11.9%増、前月比9.2%増)と前年同月からかなり大きく増加し、前月からかなりの程度増加した(表)。
また、同月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり955.2ユーロ(15万5707円、同18.3%高、同2.5%安)と6カ月連続で下落し、23年1月の水準にまで下落した(図)。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
10月の輸出量は前月からやや増加
2023年10月の化工でん粉の輸出量は、8万8631トン(前年同月比2.5%減、前月比5.8%増)と前年同月からわずかに減少したものの、前月からやや増加した(表、図)。
【貿易動向】
9月の輸出量は前月からわずかに減少
2023年9月の化工でん粉の輸出量は、2万3805トン(前年同月比6.3%減、前月比1.8%減)と前年同月からかなりの程度減少し、前月からわずかに減少した(表、図)。
【貿易動向】
10月の輸出量は前月からかなりの程度減少
2023年10月の化工でん粉の輸出量は、1万1730トン(前年同月比10.5%減、前月比7.6%減)と前年同月および前月からかなりの程度減少した(表、図)。
【貿易動向】
9月の輸出量は前月からかなりの程度減少
2023年9月の化工でん粉の輸出量(注)は、3万3828トン(前年同月比30.0%減、前月比10.4%減)と前年同月から大幅に減少し、前月からもかなりの程度減少した(表、図)。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
9月の輸出量は前月からかなりの程度増加
2023年9月の化工でん粉の輸出量は、2166トン(前年同月比34.3%減、前月比6.7%増)と前年同月から大幅に減少したものの、前月からかなりの程度増加した(表、図)。