でん粉の国内需給

　農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」（昭和40年法律第109号）により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。2月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り（詳細は2024年3月号参照）。

【タピオカでん粉の輸入動向】
2月の輸入量は前年同月から大幅に増加
　財務省「貿易統計」によると、2024年2月のタピオカでん粉の輸入量は、1万5890トン（前年同月比49.1％増、前月比58.3％増）と、前年同月から大幅に増加した（図1）。

　輸入先はタイおよびベトナムで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。

　タイ 
　1万5598トン　（前年同月比50.0％増、前月比55.7％増）
　ベトナム 
　292トン　（同12.3％増、同66.9倍）
 

　
　2024年2月の1トン当たりの輸入価格は、8万4626円（前年同月比31.9％高、前月比4.0％高）と、前年を大幅に上回った（図2）。

　国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

　タイ 
　8万4630円　（前年同月比32.0％高、前月比4.8％高）
　ベトナム 
　8万4428円　（同27.1％高、同67.9％安）
 

【サゴでん粉の輸入動向】
2月の輸入量は前年同月から大幅に増加
　財務省「貿易統計」によると、2024年2月のサゴでん粉の輸入量は、1158トン（前年同月比16.1％増、前月比9.4％減）と、前年同月から大幅に増加した（図3）。
　
　輸入先はマレーシアのみで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。

　マレーシア 
　1158トン　（前年同月比41.7％増、前月比5.5％増）

 

　2024年2月の1トン当たりの輸入価格は、11万6723円（前年同月比9.6％高、前月比3.9％高）、前年同月をかなりの程度上回った（図4）。

　国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

　マレーシア 
　11万6723円　（前年同月比8.6％高、前月比2.6％高）
 

【ばれいしょでん粉の輸入動向】
2月の輸入量は前年同月から大幅に増加
　財務省「貿易統計」によると、2024年2月のばれいしょでん粉の輸入量は1074トン（前年同月比26.4％増、前月比57.2％増）と、前年同月から大幅に増加した（図5）。

　輸入先はドイツ、デンマーク、オランダ、ポーランドおよび中国で、国・地域別の輸入量は次の通りであった。

　ドイツ 
　673トン　（前年同月比33.0％増、前月比2.8倍）
　デンマーク 
　276トン　（同2.4％減、同23.3％減）
　オランダ 
　100トン　（同66.7％増、同66.7％増）
　ポーランド 
　22トン　（前年同月輸入実績なし、同4.8％増）
　中国 
　2トン　（前年同月および前月輸入実績なし）

 

　2024年2月の1トン当たりの輸入価格は、13万9493円（前年同月比7.5％高、前月比5.3％安）と、前年同月をかなりの程度上回った（図6）。

　国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

　ドイツ 
　13万3551円　（前年同月比5.4％高、前月比7.6％安）
　デンマーク 
　15万5333円　（同14.3％高、同1.8％高）
　オランダ 
　13万800円　（同3.4％高、同4.1％高）
　ポーランド 
　15万4000円　（前年同月輸入実績なし、同3.6％高）
　中国 
　21万2083円　（前年同月および前月輸入実績なし）
 

【でん粉誘導体の輸入動向】
2月の輸入量は前年同月からかなりの程度増加
　財務省「貿易統計」によると、2024年2月のでん粉誘導体の輸入量は、3万1022トン（前年同月比9.7％増、前月比22.5％増）と、前年同月からかなりの程度増加した（図7）。

　でん粉誘導体の輸入先は16カ国・地域で、最大の輸入先はタイであった。主要輸入先からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の約8割を占めており、次いでベトナム、フランスとなっている（表3）。
 

 

　2024年2月の1トン当たりの輸入価格は、14万5238円（前年同月比14.6％高、前月比2.0％高）と、前年同月をかなり大きく上回った。
 

【デキストリンの輸入動向】
2月の輸入量は前年同月から大幅に増加
　財務省「貿易統計」によると、2024年2月のデキストリンの輸入量は、1461トン（前年同月比36.2％増、前月比71.3％増）と、前年同月から大幅に増加した（図8）。

　デキストリンの輸入先は8カ国・地域で、輸入量は上位輸入先の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。

　上位輸入先からの輸入量は次の通りで、タイおよびベトナムで輸入量の約9割を占めている（表4）。
 

 

　2024年2月の1トン当たりの輸入価格は、22万370円（前年同月比76.6％高、前月比14.0％高）と、前年同月を大幅に上回った。
 

【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
2月の輸入量は前年同月から大幅に増加
　財務省「貿易統計」によると、2024年2月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、22万8492トン（前年同月比19.7％増、前月比83.0％増）となり、前年同月から大幅に増加した（図9）。

　輸入先は、米国およびブラジルで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。

　米国 
　22万4917トン　（前年同月比84.5％増、前月比2.4倍）
　ブラジル 
　3575トン　（同94.4％減、同88.9％減）

　2024年2月の1トン当たりの輸入価格は、4万1910円（前年同月比15.0％安、前月比4.2％高）と、前年同月をかなり大きく下回った。

　国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

　米国 
　4万1971円　（前年同月比17.6％安、前月比2.5％高）
　ブラジル 
　3万8082円　（同18.1％安、同0.2％安）