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最終更新日:2024年5月10日
【需給動向:トウモロコシ】
トウモロコシ生産量は下方修正も、期末在庫は高水準を維持
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2024年4月11日、2023/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。
これによると、世界の生産量は12億2786万トン(前年度比6.1%増)と前月から238万トン下方修正された。このうち、主要生産国である米国、中国およびブラジルはいずれも前月から据え置かれたが、減収が見込まれるアルゼンチン(前月から100万トン下方修正)や南アフリカ(同150トン下方修正)などが下方修正された。また、同日に公表されたブラジル国家食糧供給公社(CONAB)による同国のトウモロコシ生産量が下方修正(1億1275万トンから1億1096万トン)されたことで、USDAの予測値との差が拡大している。
輸入量は、世界全体で1億8747万トン(同8.5%増)と前月から201万トン下方修正された。このうち、EUは前月と同じく100万トン下方修正された。
消費量は、世界全体で12億1177万トン(同3.9%増)と前月から47万トン下方修正された。このうち、主要消費国である米国は、飼料向けなどの増加見込みから127万トン上方修正された一方、アルゼンチンは100万トン下方修正された。
輸出量は、世界全体で2億59万トン(同11.3%増)と前月から168万トン下方修正された。米国、ブラジルなど主要輸出国はいずれも前月から据え置かれた。
この結果、期末在庫は3億1828万トン(同5.3%増)と前月から135万トン下方修正されたが、引き続き前年度からの増加が見込まれている。
【需給、価格動向:トウモロコシ】
米国のトウモロコシ消費量は増加、生産者価格は引き続き下方修正
USDA/WAOBは同日、2023/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表)。
今回は生産量、輸出量および輸入量とも前月から据え置かれる中で、消費量は上方修正される一方、生産者平均販売価格は前月に続き下方修正された。
項目別に見ると、生産量は153億4200万ブッシェル(3億8970万トン(注)、前年度比12.4%増)と前月から据え置かれた。
米国内消費量は、125億500万ブッシェル(3億1764万トン、同3.8%増)と前月から上方修正された。このうち、飼料など向けとエタノール向けがそれぞれ2500万ブッシェル増加した。
輸出量は、21億ブッシェル(5334万トン、同26.4%増)と前月から据え置かれ、引き続き大幅な増加が見込まれている。
この結果、期末在庫は21億2200万ブッシェル(5390万トン、同56.0%増)と前月から下方修正されたが、引き続き大幅な増加が見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、14.5%(同4.6ポイント増)と前月から下方修正されたが、同じく前年度を上回る水準が見込まれている。
生産者平均販売価格は、前月から5セント下方修正の1ブッシェル当たり4.70米ドル(716円。1キログラム当たり28.2円、同28.1%安)と大幅な下落が見込まれている。
(注)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
【貿易動向:トウモロコシ】
24年1月の輸出量は前年同月を大幅に上回り、輸出価格は前月並み
2024年1月の米国のトウモロコシ輸出量は、431万630トン(前年同月比35.3%増、前月比10.5%減)と前年同月を大幅に上回ったものの、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格(注))は、1トン当たり245.0米ドル(3万7340円、同26.7%安、同0.2%高)と前年同月を大幅に下回ったものの前月並みであった。
(注)FAS(Free alongside ship)価格:貨物が輸出国の埠頭または艀に置かれた時点までの費用を含めた価格。
【貿易動向:コーンスターチ】
24年1月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月から大幅に下落
2024年1月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万6733トン(前年同月比1.2%減、前月比2.1倍)と前年同月からわずかに減少し、前月から大幅に増加した(表、図)。
同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり845.0米ドル(12万8786円、同12.9%安、同24.6%安)と前年同月をかなり大きく下回り、前月から大幅に下落した。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、24年1月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり14.80米セント(注)(22.6円、前年同月比23.4%安、前月比2.6%安)と6カ月連続で下落し、前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに下落した(図)。
(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
【生産動向】
各地でキャッサバの収穫は終盤を迎え、次期作の作付けが進む
ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、同国では各地でキャッサバの収穫作業が終盤を迎える中で、次期作の作付けが進んでいる地域も報告されている。北部地域で最も生産が盛んなソンラ省では、キャッサバ価格の高騰を受け、収穫可能なキャッサバはすべて収穫され、次期作の作付けが例年より早く開始されたことから、ウイルスフリー苗が不足している地域もあるとされている。一方で、4月下旬まで続くとされる降水量不足と乾燥により、次期作の収穫は11月にずれ込むことから、でん粉生産は例年より1〜2カ月遅れる見通しである。また、中部のいくつかの地域では、次期作の作付けを早めるために収穫可能なキャッサバの収穫を進めている。南部地域では、好天によりキャッサバを含む多くの作物が順調に生育している。タイニン省では、川沿いの低地への作付けに関し、雨季による洪水被害を避けるために作付け時期を早めることが奨励されている。
また、同国全体のキャッサバモザイク病(注1)は2024年3月21日現在、合計5万6325ヘクタールで感染が確認され、前月比で13.4%増とかなり大きく増加したことから、同病による被害の発生が懸念される(注2)。
(注1)ウイルスの感染によって葉に黄化斑ができる病気であり、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアの一部で発生が確認されている。
(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。
【貿易動向】
24年2月の輸出量は前月から大幅に減少し、輸出価格は前月からわずかに上昇
AgroMonitorによると、2024年2月のタピオカでん粉輸出量は、15万2217トン(前年同月比43.9%減、前月比55.1%減)と前年同月および前月から大幅に減少した(表、図)。
同月の輸出価格(CFR価格(注)・中国向け)は、1トン当たり526米ドル(8万168円、同15.4%高、同2.9%高)と前年同月からかなり大きく上昇し、前月からわずかに上昇した。
(注)CFR(Cost and Freight)価格:貨物が輸出国の船上に置かれた時点までの費用および輸入国までの運賃を含めた価格。
【貿易動向】
24年1月の輸出量は前年同月および前月から大幅に増加
2024年1月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、4万3092トン(前年同月比33.4%増、前月比50.5%増)と前年同月および前月から大幅に増加した(表、図)。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
24年2月の輸出量は前年同月をやや下回る
2024年2月の化工でん粉の輸出量は、8万1824トン(前年同月4.2%減、前月比1.9%減)と前年同月をやや下回り、前月からわずかに減少した(表、図)。
【貿易動向】
24年1月の輸出量は前年同月および前月から大幅に増加
2024年1月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万7064トン(前年同月比17.0%増、前月比40.4%増)と前年同月および前月から大幅に増加した(表、図)。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
24年1月の輸出量は前年同月をかなり大きく下回る
2024年1月の化工でん粉の輸出量は、2万489トン(前年同月比13.9%減、前月比1.4%減)と前年同月をかなり大きく下回り、前月からわずかに減少した(表、図)。
【貿易動向】
24年2月の輸出量は前年同月を大幅に下回る
2024年2月の化工でん粉の輸出量は、1万2280トン(前年同月比18.6%減、前月比12.1%減)と前年同月を大幅に下回り、前月からかなり大きく減少した(表、図)。
【貿易動向】
24年1月の輸出量は7カ月連続で増加
2024年1月の化工でん粉の輸出量は、3668トン(前年同月比9.0%増、前月比32.1%増)と前年同月をかなりの程度上回り、前月から大幅に増加した(表、図)。