ホーム > でん粉 > 主要国のでん粉事情 > サゴヤシとサゴでん粉の可能性〜インドネシアとマレーシアの利用実態から〜
最終更新日:2024年6月10日
〜コラム タンパク源として注目されるサゴムシ〜サゴムシ、それはコウチュウ目・ゾウムシ上科・オサゾウムシ科のヤシオオオサゾウムシのこと。体長3センチメートル前後の甲虫で、ヤシ類に寄生する。英語ではsago grub、sago worm、sago weevilなどというが、サゴヤシ生産地では住民が好んで食べるのでsago grubと呼ぶのがよいか、と思っていたところ、今は色々な商品があるようだ。サゴムシは、サゴヤシを伐採した切り株などに卵を産みつける。そして2〜3カ月後に幼虫が発生、これを採集して食する。サゴムシの成分としては脂肪が多く、次いでタンパク質が多いため、重要な動物タンパク質源といわれる。サゴ生産国では、食べるスタイルに生食、串焼きなどあるが、筆者はサゴムシ炒めをおすすめしたい。 コラム−写真1は2023年8月パプアニューギニア・東セピック州ウェワク市の市場でのスナップだが、サゴムシが5匹で1キナ(約40円)だった。2022年8月には同じ市場で、7匹1山の値段が1キナだったので、大きさの違いが多少あったのかもしれないが、値上がり傾向ではあるようだ。参考までに、ぬれサゴでん粉(水分含有率40%程度)が1キログラムで2キナ。これは両年で価格の変動はなかった。同じ市場で売られていたサゴ餅が1包6個入りで1キナ、別の露天ではココヤシの実(液状胚乳であるココナッツジュースは飲用に、ココナッツミルクの原料となる固形胚乳を食用とするためのヤングココナッツ)が1個1キナだった。これらと比べるとサゴムシの価格は高いものと思える。なお、タイ南部では、サゴヤシの髄を専らサゴムシ養殖に使っているところもある。 近年は色々な食用昆虫が出回るようになっているが、いよいよサゴムシも缶詰やラミネートパッケージで輸入されている。ネット検索をしてみたところ、串に刺して(おそらく)味付けしたものや、ウォッカに漬け込んだものも出回っているようだ。 |