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2 日本の品目別主要輸入先の動向

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最終更新日:2024年7月10日

2 日本の品目別主要輸入先の動向

2024年7月


 本稿中の為替レートは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年5月末日TTS相場の1米ドル=157.74円を使用した。
 

トウモロコシ・コーンスターチ

世界

【需給動向:トウモロコシ】
生産量、期末在庫は引き続き微減も高水準の見通し
 
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2024年6月12日、24/25年度の世界のトウモロコシ需給予測値を公表した(表)。

 これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億2054万トン(前年度比0.6%減)と、前月から61万トン上方修正された。生産量上位4カ国である米国、中国、ブラジルおよびアルゼンチンはいずれも前月から据え置かれたが、ウクライナ(前月から70万トン上方修正)などの増加分が、ロシア(同60万トン下方修正)の減少分を上回った。

 輸入量は、世界全体で1億8616万トン(同0.2%減)と前月から179万トン上方修正された。主要国はいずれも据え置かれたが、ザンビアやマラウイなどアフリカ南部の国での増加が反映された。

 消費量は、世界全体で12億2216万トン(同0.5%増)と前月から141万トン上方修正された。このうち、2大消費国の中国と米国はいずれも前月から据え置かれたが、ウクライナ(前月から20万トン上方修正)やEU(同10万トン上方修正)などでわずかに上方修正された。

 輸出量は、世界全体で1億9175万トン(同3.7%減)と前月から65万トン上方修正された。米国、ブラジルおよびアルゼンチンの輸出上位3カ国はいずれも据え置かれたが、ウクライナ(前月から50万トン上方修正)などの増加分がロシア(同20万トン下方修正)の減少分を上回った。

 この結果、期末在庫は3億1077万トン(同0.5%減)と前月から150万トン下方修正されたが、引き続き高水準を維持すると見込まれている。
 

1

米国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
米国の生産量はやや減少、生産者価格は前年度に続き下落
 
USDA/WAOBは同日、2024/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表したがすべての数値が前月から据え置かれた(表)。

 生産量は、148億6000万ブッシェル(3億7746万トン(注)、前年度比3.1%減)。

 米国内消費量は、126億500万ブッシェル(3億2018万トン、同0.4%増)。

 輸出量は、22億ブッシェル(5588万トン、同2.3%増)。

 この結果、期末在庫は21億200万ブッシェル(5339万トン、同4.0%増)となり、前年度に引き続き高水準が見込まれている。

 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、14.2%(同0.4ポイント増)と、引き続き前年度を上回る水準が見込まれている。

 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.40米ドル(694円。1キログラム当たり27.3円、同5.4%安)とやや下落が見込まれている。

(注)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
 

2

【貿易動向:トウモロコシ】
24年4月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
 
2024年4月の米国のトウモロコシ輸出量は、644万7900トン(前年同月比26.6%増、前月比9.2%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FAS価格(注))は、1トン当たり230米ドル(3万6280円、同26.1%安、同2.2%高)と前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに上昇した。

(注)FAS(Free alongside ship)価格:貨物が輸出国の埠頭(ふ とう)または(はしけ)に置かれた時点までの費用を含めた価格。

 


 

3

【貿易動向:コーンスターチ】
24年4月の輸出量は前月からわずかに増加、輸出価格は前月からやや上昇
 
2024年4月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万7287トン(前年同月比27.6%増、前月比2.7%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からわずかに増加した(表、図)。

 同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり786.2米ドル(12万4015円、同17.9%安、同3.2%高)と前年同月を大幅に下回り、前月からやや上昇した。








 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、24年5月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり15.79米セント(注)(24.9円、前年同月比20.8%安、前月比6.7%高)と前年同月を大幅に下回り、前月からかなりの程度上昇した(図)。

(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
 

4

タピオカでん粉

ベトナム

【生産動向】
各地でキャッサバの作付けが進む

 ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、北部地域のソンラ省ではトウモロコシ価格の下落によるキャッサバへの転作が進み、作付面積は前年同期比で20〜30%増加すると予測されている。晴天で暑く乾燥した日が続いたことで、キャッサバの植え付け開始が4月下旬にずれ込んだ()場もあったため、植え付け終了は5月下旬となった。また、乾燥が長引いたことから一部の地域では、4月上中旬に作付けされたもののうち、約2〜3割の面積で発芽不良が発生している。中部地域の一部では、乾燥により生産性が低下した水田でのコメの作付けから他作物への転換が行われたため、キャッサバの作付けが進んでいる。中部地域のフーイエン省では5月中旬に約9割の作付けが完了したものの、キャッサバモザイク病(注1)の被害が前年より増加し、作付面積の6〜10%で被害が出ると見込まれている。また、キャッサバコナカイガラムシやダニ類の発生も確認されており、その影響が懸念されている。南部地域のタイニン省では、夏から秋の作付けが行われており、同省統計局は2024年5月13日時点の作付面積を4万5677ヘクタール(前年同期比3.9%増)とし、前年同月からやや増加すると予測している。

 また、同国全体のキャッサバモザイク病は24年5月末現在、合計6万5614ヘクタール(前月比0.5%増)で感染が確認され、前月からわずかに増加したことから、同病による被害の広がりが懸念されている(注2)

(注1)ウイルスの感染によって葉に黄化斑ができる病気であり、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアの一部で流行が確認されている。

(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。

【貿易動向】
24年5月の輸出量は前月から大幅に減少し、輸出価格は前月からやや下落
 
AgroMonitorによると、2024年5月のタピオカでん粉輸出量は、8万1435トン(前年同月比22.6%減、前月比36.1%減)と前年同月および前月から大幅に減少した(表、図)。

 同月の輸出価格(CFR価格(注)・中国向け)は、1トン当たり496米ドル(7万8239円、同8.0%安、同5.7%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からやや下落した。

(注)CFR(Cost and Freight)価格:貨物が輸出国の船上に置かれた時点までの費用および輸入国までの運賃を含めた価格。




 

5

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
24年3月の輸出量は前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度増加
 
2024年3月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、4万5206トン(前年同月比35.1%増、前月比9.8%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。




 

6

化工でん粉


 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要国・地域別輸出量および輸出価格は、以下の通りである。

タイ

【貿易動向】
24年4月の輸出量は前年同月を大幅に上回る
 
2024年4月の化工でん粉の輸出量は、8万4920トン(前年同月25.4%増、前月比16.4%減)と前年同月を大幅に上回り、前月から大幅に減少した(表、図)。

 


 

7

EU

【貿易動向】
24年3月の輸出量は前年同月をわずかに下回り、前月からやや減少
 
2024年3月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万7627トン(前年同月比0.6%減、前月比3.1%減)と前年同月をわずかに下回り、前月からやや減少した(表、図)。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。




 

8

米国

【貿易動向】
24年3月の輸出量は前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに減少
 
2024年3月の化工でん粉の輸出量は、2万4102トン(前年同月比7.9%減、前月比2.8%減)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに減少した(表、図)。
 



 

9

中国

【貿易動向】
24年4月の輸出量は前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度減少
 
2024年4月の化工でん粉の輸出量は、1万8077トン(前年同月比17.9%増、前月比7.1%減)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。




 

10

豪州

【貿易動向】
24年3月の輸出量は9カ月連続で増加
 
2024年3月の化工でん粉の輸出量は、4671トン(前年同月比2.2倍、前月比19.4%増)と前年同月を大幅に上回り、前月から大幅に増加した(表、図)。
 



 

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