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2 日本の品目別主要輸入先の動向

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最終更新日:2024年11月11日

2 日本の品目別主要輸入先の動向

2024年11月



 本稿中の為替レートは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年9月末日TTS相場の1米ドル=143.73円、1ユーロ=160.93円を使用した。

 なお、本稿中の輸出価格は品目に応じて以下の価格を使用。

・FAS(Free alongside ship)価格:貨物が輸出国の埠頭(ふ とう)または(はしけ)に置かれた時点までの費用を含めた価格。
・CFR(Cost and Freight)価格:貨物が輸出国の船上に置かれた時点までの費用および輸入国までの運賃を含めた価格。
・FOB(Free on Board)価格:貨物が輸出国の船上に置かれた時点までの費用を含めた価格。

トウモロコシ・コーンスターチ

世界

【需給動向:トウモロコシ】
生産量、期末在庫はともに微減するも引き続き高水準の見通し
 
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2024年10月11日、2024/25年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。

 これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億1719万トン(前年度比0.7%減)と前月から138万トン下方修正された。このうち、単収が引き上げられた米国やインドは前月から上方修正されたものの、ウクライナやロシア、フィリピンでの下方修正が影響した。

 輸入量は、世界全体で1億8384万トン(同4.7%減)と前月から156万トン下方修正された。このうち、中国などの下方修正がエジプトの上方修正を上回った。

 消費量は、世界全体で12億2332万トン(同0.5%増)と前月から347万トン上方修正された。このうち、中国や米国は前月から据え置かれ、ブラジルやアルゼンチンなどの上方修正がエジプトなどの下方修正を上回った。

 輸出量は、世界全体で1億9050万トン(同2.7%減)と前月から87万トン下方修正された。米国が上方修正されたものの、ウクライナの下方修正などが影響した。

 この結果、期末在庫は3億652万トン(同2.0%減)と前月から183万トン下方修正されたものの、引き続き高水準が見込まれている。
 

1

米国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
単収の上方修正で生産量も増加、輸出量も高水準を維持
 
USDA/WAOBは2024年10月11日、2024/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表)。

 生産量は、作付面積および収穫面積が前月から据え置かれたものの、単収の上方修正から152億300万ブッシェル(3億8617万トン(注)、前年度比0.9%減)と前月から上方修正され、前年度をわずかに下回ると見込まれている。

 米国内消費量は、126億6500万ブッシェル(3億2170万トン、同0.1%減)と前月から据え置かれ、前年度並みと見込まれている。

 輸出量は、23億2500万ブッシェル(5906万トン、同1.4%増)と前月から上方修正され、前年度をわずかに上回る高水準とされている。

 この結果、期末在庫は19億9900万ブッシェル(5078万トン、同13.6%増)と前月から下方修正されたものの、前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。

 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、13.3%(同1.5ポイント増)と前月から0.4ポイント下方修正されたが、前年度を上回ると見込まれている。

 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.10米ドル(589円。1キログラム当たり23.2円、同9.9%安)と前月から据え置かれ、前年からかなりの程度下落することが見込まれている。

(注)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
 

2

【貿易動向:トウモロコシ】
24年8月の輸出量は前月からわずかに減少、輸出価格は前月からやや下落
 
2024年8月の米国のトウモロコシ輸出量は、517万344トン(前年同月比93.1%増、前月比1.9%減)と前年同月を大幅に上回り、前月からわずかに減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり211.8米ドル(3万442円、同23.8%安、同3.0%安)と前年同月を大幅に下回り、前月からやや下落した。
 



 

3

【貿易動向:コーンスターチ】
24年8月の輸出量は前月からわずかに増加、輸出価格は前月からわずかに下落
 
2024年8月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万7554トン(前年同月比39.6%増、前月比2.1%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からわずかに増加した(表、図)。

 同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり754.5米ドル(10万8444円、同16.8%安、同2.7%安)と前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに下落した。

 






 

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、24年9月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり14.11米セント(注)(1キログラム当たり45円、前年同月比19.4%安、前月比4.5%安)と前年同月を大幅に下回り、前月からやや下落した(図)。

(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
 

4

タピオカでん粉

ベトナム

【生産動向】
天候不順によるキャッサバ生産への影響が懸念される

 ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、北部地域ではキャッサバ価格の高騰を受け、作付面積は前年同期比20〜30%増と見込まれるものの、干ばつによる植え付け遅れとその後の悪天候による生育不良から生産量が減少する可能性があるとされている。北部タインホア省およびゲアン省では、限られた耕作面積に加え、生産者によってはキャッサバより収益性が期待できる他作物への転作が進んだことにより、作付面積は10〜15%の増加にとどまるとされる。中部地域でも、キャッサバからアカシア、サトウキビ、果樹などへの転作が進んだことにより、作付面積は3〜10%減少している。これに加え、長雨の影響でキャッサバの成長が阻害されたことにより、生産量のさらなる減少が見込まれている。南部地域のタイニン省では、キャッサバ価格の高騰を受け、農家はキャッサバの苗木や肥料、灌漑(かん がい)システムの設置などに投資したことで、2024年9月時点の作付面積は前年同月からやや増加の5万7355ヘクタール(前年同期比4.0%増)と見込まれるが、天候不順の影響で生産量と品質は平年より悪化しているとされる。

 また、同国全体のキャッサバモザイク病(注1)は24年10月1日現在、合計4万4530ヘクタール(前月比14.4%減)で発生が確認され、前月からかなり大きく減少したものの、同病による被害の広がりが懸念されている(注2)

(注1)ウイルス感染により葉に黄化斑が発生する病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物が枯死してしまうため、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアで流行が確認されている。
(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。

【貿易動向】
24年9月の輸出量は前月から大幅に減少、輸出価格は前月からわずかに下落

 AgroMonitorによると、2024年9月のタピオカでん粉輸出量は、11万2103トン(前年同月比42.3%減、前月比26.4%減)と前年同月および前月から大幅に減少した(表、図)。

 同月の輸出価格(CFR価格・中国向け)は、1トン当たり475米ドル(6万8272円、同11.0%安、同0.6%安)と前年同月をかなり大きく下回り、前月からわずかに下落した。




 

5

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
24年7月の輸出量は前月からやや減少、輸出価格は前月からわずかに上昇
 
2024年7月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、4万698トン(前年同月比19.4%増、前月比4.8%減)と前年同月を大幅に上回り、前月からやや減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり910.0ユーロ(14万6446円、同8.8%安、同1.2%高)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに上昇した。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。


 


 

6

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要国・地域別輸出量および輸出価格は、以下の通りである。

タイ

【貿易動向】
24年7月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
 
2024年7月の化工でん粉の輸出量は、8万7771トン(前年同月比15.9%増、前月比9.9%増)と前年同月をかなり大きく上回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり897.4米ドル(12万8983円、同3.8%安、同2.6%高)と前年同月をやや下回り、前月からわずかに上昇した。
 



 

7

EU

【貿易動向】
24年7月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からわずかに下落
 
2024年7月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万4812トン(前年同月比32.8%増、前月比6.4%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1502.4ユーロ(24万1781円、同20.8%安、同2.6%安)と前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに下落した。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。




 

8

米国

【貿易動向】
24年7月の輸出量は前月からわずかに増加、輸出価格は前月からわずかに下落
 
2024年7月の化工でん粉の輸出量は、2万2288トン(前年同月比6.0%増、前月比2.6%増)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からわずかに増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1687.7米ドル(24万2573円、同7.4%安、同2.6%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに下落した。
 



 

9

中国

【貿易動向】
24年8月の輸出量は前月からかなり大きく増加、輸出価格は前月から大幅に下落
 
2024年8月の化工でん粉の輸出量は、1万7858トン(前年同月比66.1%増、前月比12.5%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなり大きく増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1021.9米ドル(14万6878円、同30.2%安、同17.0%安)と前年同月および前月から大幅に下落した。
 



 

10

豪州

【貿易動向】
24年7月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月からやや上昇
 
2024年7月の化工でん粉の輸出量は、3518トン(前年同月比78.6%増、前月比36.7%増)と前年同月および前月から大幅に増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1684.8米ドル(24万2156円、同18.0%高、同4.9%高)と前年同月を大幅に上回り、前月からやや上昇した。
 



 

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