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最終更新日:2024年12月10日
【需給動向:トウモロコシ】
消費量の微増などから期末在庫はやや減少するも、引き続き高水準となる見通し
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2024年11月8日、2024/25年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。
これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億1940万トン(前年度比0.8%減)と前月から221万トン上方修正された。このうち、最大の生産国である米国に加え、EUも前月から下方修正されたが、ウガンダやマラウイ、ベラルーシなどでの上方修正が上回った。
輸入量は、世界全体で1億8341万トン(同6.5%減)と前月から43万トン下方修正された。このうち、メキシコやベトナムは前月から上方修正されたが、中国は1600万トンと前月から300万トン下方修正されたことが影響した。
消費量は、世界全体で12億2948万トン(同0.8%増)と前月から616万トン上方修正された。このうち、ブラジルや南アフリカなどが前月から上方修正されたことで、EUなどの下方修正分を上回った。
輸出量は、世界全体で1億8983万トン(同3.0%減)と前月から67万トン下方修正された。最大の輸出国である米国は据え置かれたが、ブラジルや南アフリカの下方修正などが影響した。
この結果、期末在庫は3億414万トン(同3.2%減)と前月から238万トン下方修正されたものの、引き続き高水準が見込まれている。
【需給、価格動向:トウモロコシ】
単収の下方修正で生産量はわずかに減少するも、輸出量は据え置かれて引き続き高水準を維持
USDA/WAOBは2024年11月8日、2024/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表)。
作付面積および収穫面積は前月から据え置かれたものの、生産量は単収の下方修正により151億4300万ブッシェル(3億8465万トン(注)、前年度比1.3%減)と前月から下方修正され、前年度をわずかに下回ると見込まれている。
米国内消費量は、126億6500万ブッシェル(3億2170万トン、同0.1%減)と前月から据え置かれ、前年度並みと見込まれている。
輸出量は、23億2500万ブッシェル(5906万トン、同1.4%増)と消費量同様に前月から据え置かれ、前年度をわずかに上回る高水準とされている。
この結果、期末在庫は19億3800万ブッシェル(4923万トン、同10.1%増)と、生産量が下方修正された影響で前月から下方修正されたものの、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、12.9%(同1.1ポイント増)と前月から0.4ポイント下方修正されたが、前年度を上回ると見込まれている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.10米ドル(634円。1キログラム当たり25円、同9.9%安)と前月から据え置かれ、前年からかなりの程度下落することが見込まれている。
(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
【貿易動向:トウモロコシ】
24年9月の輸出量は前月から大幅に減少、輸出価格は前月からわずかに下落
2024年9月の米国のトウモロコシ輸出量は、429万2721トン(前年同月比35.7%増、前月比17.0%減)と前年同月を大幅に上回り、前月から大幅に減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり210.2米ドル(3万2505円、同14.1%安、同0.7%安)と前年同月をかなり大きく下回り、前月からわずかに下落した。
【貿易動向:コーンスターチ】
24年9月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からわずかに下落
2024年9月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万6115トン(前年同月比16.3%増、前月比8.2%減)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり746.2米ドル(11万5392円、同19.4%安、同1.1%安)と前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに下落した。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、24年10月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり14.20米セント(注)(22.0円、前年同月比10.1%安、前月比0.6%高)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに上昇した(図)。
(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1
【生産動向】
23/24年度のキャッサバ生産量は減産見込み
タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)が公表した「農業経済2024年10月」によると、2023/24年度(10月〜翌9月)のキャッサバ収穫面積は、868万ライ(139万ヘクタール (注1)、前年度比6.4%減)、単収は1ライ当たり3.10トン(1ヘクタール当たり19.35トン、同6.3%減)とそれぞれ減少が見込まれている(表)。この結果、生産量も2688万トン(同12.2%減)とかなり大きく減少が見込まれている。主要輸出先である中国市場での需要低下による取引価格の下落や、キャッサバモザイク病(注2)被害への懸念が続く場合、キャッサバ作付面積の削減や他作物への転作を図る生産者の増加が予想される。現地報道によると、キャッサバ生産者団体は政府に対し取引価格下落への対策を求めており、政府の対応次第では大規模な抗議行動につながる可能性もあるとされている。
タイでは、18/19年度からキャッサバモザイク病の感染が拡大しており、農業普及局は近隣国から流入する感染苗の監視強化や生産者に対する抵抗性品種栽培の推奨などを継続している。しかし感染の収束は見られず、11月初旬にはキャッサバの主産地であるナコンラチャシマ県ノンブンマック郡で、栽培面積9万2674ライ(1万5404ヘクタール)の70%がキャッサバモザイク病の影響を受けていると報じられており、政府による感染対策や支援強化の要望が高まっている。
(注1)1ライを0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)ウイルス感染により葉に黄化斑が発生する病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物が枯死してしまうため、収穫量が大幅に減少する。タイのほかに、近隣国のベトナムやカンボジアで流行が確認されている。
【価格動向】
国内価格は前年同期から大幅に下落
タイ・タピオカでん粉協会(TTSA)によると、2024年11月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり14.9バーツ(69.0円、前年同期比21.6%安)と前年同期から大幅に下落した(図)。
【貿易動向】
24年8月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
2024年8月のタピオカでん粉輸出量は、28万5456トン(前年同月比16.5%増、前月比9.6%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。
同月の輸出価格(FOB価格・バンコク)は、1トン当たり530.0米ドル(8万1959円、同7.0%安、同0.4%高)と、前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに上昇した。
【貿易動向】
24年8月の輸出量は前月から大幅に減少、輸出価格は前月からわずかに上昇
2024年8月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、2万9522トン(前年同月比5.1%減、前月比27.5%減)と前年同月をやや下回り、前月から大幅に減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり919.8ユーロ(15万4738円、同6.1%安、同1.1%高)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに上昇した。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
24年8月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
2024年8月の化工でん粉の輸出量は、9万5064トン(前年同月比7.0%増、前月比8.3%増)と前年同月および前月からかなりの程度増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり918.0米ドル(14万1960円、同4.0%高、同2.3%高)と前年同月をやや上回り、前月からわずかに上昇した。
【貿易動向】
24年8月の輸出量は前月からかなり大きく減少、輸出価格は前月からわずかに上昇
2024年8月の化工でん粉の輸出量(注)は、3万8671トン(前年同月比1.0%増、前月比13.6%減)と前年同月をわずかに上回り、前月からかなり大きく減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1532.4ユーロ(25万7796円、同17.3%安、同1.5%高)と前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに上昇した。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
24年8月の輸出量は前月からかなり大きく増加、輸出価格は前月からかなりの程度下落
2024年8月の化工でん粉の輸出量は、2万5230トン(前年同月比4.0%増、前月比13.2%増)と前年同月をやや上回り、前月からかなり大きく増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1552.6米ドル(24万94円、同12.8%安、同8.0%安)と前年同月をかなり大きく下回り、前月からかなりの程度下落した。
【貿易動向】
24年9月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からかなりの程度上昇
2024年9月の化工でん粉の輸出量は、1万6683トン(前年同月比31.4%増、前月比6.6%減)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1104.2米ドル(17万753円、同22.2%安、同8.1%高)と前年同月を大幅に下回り、前月からかなりの程度上昇した。
【貿易動向】
24年8月の輸出量は前月からかなり大きく増加、輸出価格は前月からやや下落
2024年8月の化工でん粉の輸出量は、3925トン(前年同月比93.3%増、前月比15.1%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなり大きく増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1605.2米ドル(24万8228円、同5.3%安、同5.7%安)と前年同月および前月からやや下落した。