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2 日本の品目別主要輸入先の動向

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最終更新日:2025年3月10日

2 日本の品目別主要輸入先の動向

2025年3月



 本稿中の為替レートは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年1月末日TTS相場の1米ドル=155.43円、1ユーロ=161.86円を使用した。

 なお、本稿中の輸出価格は品目に応じて以下の価格を使用。

 ・FAS(Free alongside ship)価格:貨物が輸出国の埠頭(ふ とう)または(はしけ)に置かれた時点までの費用を含めた価格。
 ・CFR(Cost and Freight)価格:貨物が輸出国の船上に置かれた時点までの費用および輸入国までの運賃を含めた価格。
 ・FOB(Free on Board)価格:貨物が輸出国の船上に置かれた時点までの費用を含めた価格。

トウモロコシ・コーンスターチ

世 界

【需給動向:トウモロコシ】
生産減・消費増などから期末在庫はかなりの程度減少

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年2月11日、24/25年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。

 これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億1247万トン(前年度比1.4%減)と前月から188万トン下方修正された。このうち、ブラジルは全生産量の8割を占める第2期作の播種(は しゅ)遅れ、アルゼンチンは1月の継続した高温乾燥により、前月からそれぞれ100万トン下方修正された。

 輸入量は、世界全体で1億8116万トン(同8.2%減)と前月から199万トン下方修正された。このうち、最大の輸入国である中国が1000万トン(同57.3%減)と前月から300万トン下方修正されたことが影響した。中国では、トウモロコシ需給の緩和から価格の下落を支えるための対策が講じられているとされる中で、輸入需要は減少しているとみられている。

 消費量は、世界全体で12億3796万トン(同1.5%増)と前月から51万トン下方修正された。このうち、米国や中国はいずれも前月から据え置かれたが、アルゼンチンは前月から200万トン下方修正されたことが影響した。

 輸出量は、世界全体で1億8923万トン(同2.1%減)と前月から218万トン下方修正された。このうち、生産量の減少を受けてブラジルが前月から100万トン下方修正され、ウクライナも同じく100万トン下方修正されたことが影響した。

 この結果、期末在庫は、生産量の下方修正などから2億9031万トン(同8.1%減)と前月から303万トン下方修正された。
 

1

米 国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
生産減・輸出増などから期末在庫はかなり大きく減少
 
USDA/WAOBは2025年2月11日、24/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した。この中で、生産者平均販売価格が上方修正されたことを除き、すべての数値は前月から据え置かれた(表)。

 生産量は、148億6700万ブッシェル(3億7764万トン(注)、前年度比3.1%減)。

 米国内消費量は、126億6500万ブッシェル(3億2170万トン、同0.1%減)。

 輸出量は、24億5000万ブッシェル(6223万トン、同6.9%増)。

 この結果、期末在庫は15億4000万ブッシェル(3912万トン、同12.6%減)と、前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。

 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、10.2%(同1.6ポイント減)と、前年度を下回ると見込まれている。

 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.35米ドル(676円。1キログラム当たり26.6円、同4.4%安)と前月から上方修正されたが、前年度からやや下落が見込まれている。

(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
 

2

【貿易動向:トウモロコシ】
24年12月の輸出量は前月からかなり大きく増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
 
2024年12月の米国のトウモロコシ輸出量は、545万7463トン(前年同月比14.7%増、前月比15.7%増)と前年同月および前月からかなり大きく増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり229.5米ドル(3万5671円、同5.8%安、同1.3%高)と前年同月をやや下回り、前月からわずかに上昇した。

 


 

3

【貿易動向:コーンスターチ】
24年12月の輸出量は前月からかなり大きく減少、輸出価格は前月からやや下落

 2024年12月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万5614トン(前年同月比93.0%増、前月比11.9%減)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなり大きく減少した(表、図)。

 同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり732.3米ドル(11万3821円、同34.7%安、同5.2%安)と前年同月を大幅に下回り、前月からやや下落した。







 

 
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、25年1月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり15.16米セント(注)(23.6円、前年同月比2.4%高、前月比2.6%高)と前年同月および前月からわずかに上昇した(図)。

(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
 

4

タピオカでん粉

ベトナム

【生産動向】
北部および中部地域において地域価格下落により他作物への転作が懸念
 
ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、北部地域では2024/25年度の収穫が始まったもののキャッサバ価格が低迷しており、価格上昇を期待する多くの生産者は収穫を遅らせた。一部の地域では1月下旬時点で未収穫面積が約6割になると見込まれている。今後も価格が上昇しない場合、キャッサバに比べて収益性が期待できるサトウキビ、コーヒー、トウモロコシなど他作物への転作が懸念される。中部地域でもキャッサバ価格の下落に対応するため、キャッサバからアカシア、サトウキビ、果樹などへの転作が進み、24/25年度の栽培面積は下方修正される見込みである。南部地域のタイニン省では24/25年度の冬春キャッサバ作付けは、12月に寒波の影響を受けたものの、1月下旬には作付け計画の約7割が完了するなど、順調に進んでいる。

 また、同国全体のキャッサバモザイク病(注1)は25年1月13日現在、合計2万3229ヘクタール(前月比6.3%減)で発生が確認され、前月からかなりの程度減少した(注2)

(注1)ウイルス感染により葉に黄化斑が発生する病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物が枯死してしまうため、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアで流行が確認されている。
(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。

【貿易動向】
25年1月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からやや下落

 AgroMonitorによると、2025年1月のタピオカでん粉輸出量は、24万3407トン(前年同月比29.7%減、前月比7.1%減)と前年同月を大幅に下回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。

 同月の輸出価格(CFR価格・中国向け)は、1トン当たり355米ドル(5万5178円、同30.5%安、同5.8%安)と前年同月を大幅に下回り、前月からやや下落した。

 


 

5

ばれいしょでん粉

E U

【貿易動向】
24年11月の輸出量は前月から大幅に減少、輸出価格は前月からかなりの程度上昇
 
2024年11月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万4711トン(前年同月比0.5%増、前月比20.6%減)と前年同月をわずかに上回り、前月から大幅に減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり987.4ユーロ(15万9821円、同8.8%高、同6.1%高)と前年同月および前月からかなりの程度上昇した。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。




 

6

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要国・地域別輸出量および輸出価格は、以下の通りである。

タ イ

【貿易動向】
24年11月の輸出量は前月からわずかに増加、輸出価格は前月からわずかに下落

 2024年11月の化工でん粉の輸出量は、9万6719トン(前年同月比2.9%減、前月比1.0%増)と前年同月をわずかに下回り、前月からわずかに増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり842.1米ドル(13万888円、同5.4%安、同2.7%安)と前年同月をやや下回り、前月からわずかに下落した。
 



 

7

E U

【貿易動向】
24年11月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からわずかに下落

 2024年11月の化工でん粉の輸出量(注)は、3万9731トン(前年同月比5.7%減、前月比9.8%減)と前年同月をやや下回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1561.5ユーロ(25万2744円、同9.9%安、同0.4%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに下落した。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。




 

8

米 国

【貿易動向】
24年11月の輸出量は前月からわずかに減少、輸出価格は前月からやや下落

 2024年11月の化工でん粉の輸出量は、2万1900トン(前年同月比6.3%減、前月比0.4%減)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1645.2米ドル(25万5713円、同1.0%安、同3.7%安)と前年同月をわずかに下回り、前月からやや下落した。
 



 

9

中 国

【貿易動向】
24年12月の輸出量は前月からわずかに増加、輸出価格は前月からかなりの程度上昇
 
2024年12月の化工でん粉の輸出量は、1万5971トン(前年同月比14.9%増、前月比1.6%増)と前年同月をかなり大きく上回り、前月からわずかに増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1302.4米ドル(20万2432円、同0.1%安、同6.7%高)と前年同月並みとなり、前月からかなりの程度上昇した。
 



 

10

豪 州

【貿易動向】
24年11月の輸出量は前月から大幅に減少、輸出価格は前月からわずかに上昇
 
2024年11月の化工でん粉の輸出量は、1090トン(前年同月比54.9%減、前月比66.9%減)と前年同月および前月から大幅に減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1711.8米ドル(26万6065円、同3.5%安、同1.1%高)と前年同月をやや下回り、前月からわずかに上昇した。
 



 

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