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最終更新日:2025年5月9日
【需給動向:トウモロコシ】
消費量および輸出量の上方修正から期末在庫は下方修正されかなりの程度減少
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年4月10日、24/25年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。
これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億1510万トン(前年度比1.2%減)と前月から93万トン上方修正された。生産量上位3カ国は据え置かれたものの、EUが作付面積の増加により前月から131万トン上方修正されたことなどが反映された。
輸入量は、世界全体で1億8209万トン(同8.0%減)と前月から179万トン上方修正された。このうち、EUが2000万トン(同0.9%増)と前月から50万トン上方修正されたことなどが反映された。
消費量は、世界全体で12億4178万トン(同1.8%増)と前月から259万トン上方修正された。このうち、米国は前月から64万トン下方修正されたものの、EUが同170万トン上方修正されたことなどが反映された。
輸出量は、世界全体で1億8868万トン(同2.4%減)と前月から232万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国である米国は6477万トン(同11.2%増)と前月から254万トン上方修正されたことなどが反映された。
この結果、期末在庫は、消費量および輸出量の伸びが輸入量を上回ったことで、2億8765万トン(同8.5%減)と前月から129万トン下方修正された。
【需給、価格動向:トウモロコシ】
米国は輸出量の増加などから期末在庫は大幅に減少
USDA/WAOBは2025年4月10日、24/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表)。
米国内生産量は、148億6700万ブッシェル(3億7764万トン(注)、前年度比3.1%減)と前月から据え置かれた。
米国内消費量は、飼料等向けの下方修正により126億4000万ブッシェル(3億2107万トン、同0.3%減)と前月から下方修正された。
輸出量は、25億5000万ブッシェル(6477万トン、同11.3%増)と前月から上方修正された。他の輸出国に比べて比較的競争力のある米国産トウモロコシ価格を背景とした、EU向け輸出の増加予測などを反映したものとされている。
この結果、期末在庫は14億6500万ブッシェル(3721万トン、同16.9%減)と前月から下方修正され、前年度を大幅に下回ると見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、9.6%(同2.2ポイント減)と、同じく前年度を下回ると見込まれている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.35米ドル(655円。1キログラム当たり26円、同4.4%安)と前月から据え置かれた。
(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
【貿易動向:トウモロコシ】
25年2月の輸出量は前月からわずかに減少、輸出価格は前月からやや上昇
2025年2月の米国のトウモロコシ輸出量は、605万3007トン(前年同月比12.4%増、前月比1.9%減)と前年同月をかなり大きく上回り、前月からわずかに減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり238.5米ドル(3万5899円、同1.8%高、同3.9%高)と前年同月をわずかに上回り、前月からやや上昇した。
【貿易動向:コーンスターチ】
25年2月の輸出量は前月から大幅に減少、輸出価格は前月からかなりの程度上昇
2025年2月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万7742トン(前年同月比34.5%増、前月比21.1%減)と前年同月を大幅に上回り、前月から大幅に減少した(表、図)。
同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり721.4米ドル(10万8585円、同14.6%安、同8.8%高)と前年同月をかなり大きく下回り、前月からかなりの程度上昇した。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、25年3月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり16.60米セント(注)(25.0円、前年同月比16.4%高、前月比4.5%高)と前年同月を大幅に上回り、前月からやや上昇した(図)。
(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
【生産動向】
北部および中部地域において地域価格下落により他作物への転作が懸念
ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、北部地域では2025/26年度の作付けが始まったが、キャッサバ価格の低迷や他作物に比べて収益性が低いことから他作物への転作を考える生産者が増加し、例年より作付けが大幅に遅れている。一部の地域では3月下旬時点での作付面積が約30〜50%減少すると見込まれている。中部地域でも、キャッサバ価格の下落により作付面積の減少が予測されており、キャッサバからアカシア、サトウキビ、果樹など他作物への転作が見込まれている。南部地域のタイニン省では、24/25年度の冬春キャッサバが12月に寒波の影響を受けたものの、その後はキャッサバの生育に適した天候に回復したことで、作付面積は前年より微増する見込みである。
また、同国全体のキャッサバモザイク病(注1)は25年3月14日現在、合計3万9384ヘクタール(前月比15.1%増)で発生が確認され、前月からかなり大きく増加した(注2)。
(注1)ウイルス感染により葉に黄化斑が発生する病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物が枯死してしまうため、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアで流行が確認されている。
(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。
【貿易動向】
25年3月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からやや下落
AgroMonitorによると、2025年3月のタピオカでん粉輸出量は、28万5949トン(前年同月比26.2%増、前月比6.2%減)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
同月の輸出価格(CFR価格・中国向け)は、1トン当たり343米ドル(5万1628円、同35.2%安、同3.9%安)と前年同月を大幅に下回り、前月からやや下落した。
【貿易動向】
25年1月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月並み
2025年1月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、4万1806トン(前年同月比3.1%減、前月比43.4%増)と前年同月をやや下回り、前月から大幅に増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり983.1ユーロ(16万815円、同11.4%高、同0.1%高)と前年同月をかなり大きく上回り、前月並みであった。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
25年1月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からやや下落
2025年1月の化工でん粉の輸出量は、8万2579トン(前年同月比1.0%減、前月比6.1%増)と前年同月をわずかに下回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり858.1米ドル(12万9161円、同4.9%安、同3.5%安)と前年同月をやや下回り、前月からやや下落した。
【貿易動向】
25年1月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
2025年1月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万7890トン(前年同月比1.6%増、前月比22.6%増)と前年同月をわずかに上回り、前月から大幅に増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1568.2ユーロ(25万6526円、同6.6%安、同1.4%高)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに上昇した。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
25年1月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
2025年1月の化工でん粉の輸出量は、2万2623トン(前年同月比10.4%増、前月比8.1%増)と前年同月および前月からかなりの程度増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり1673.8米ドル(25万1940円、同1.6%高、同2.5%高)と前年同月をわずかに上回り、前月からわずかに上昇した。
【貿易動向】
25年2月の輸出量は前月から大幅に減少、輸出価格は前月からかなりの程度下落
2025年2月の化工でん粉の輸出量は、1万991トン(前年同月比10.5%減、前月比26.2%減)と前年同月をかなりの程度下回り、前月から大幅に減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1238.2米ドル(18万6374円、同10.8%高、同6.2%安)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からかなりの程度下落した。
【貿易動向】
25年1月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月からわずかに下落
2025年1月の化工でん粉の輸出量は、2999トン(前年同月比1.2%増、前月比37.6%増)と前年同月をわずかに上回り、前月から大幅に増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1639.6米ドル(24万6793円、同8.9%安、同2.7%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに下落した。