
ホーム > でん粉 > でん粉の国際需給 > 2 日本の品目別主要輸入先の動向
最終更新日:2025年6月10日
【需給動向:トウモロコシ】
25/26年度は消費量および輸出量の増加から期末在庫はやや減少
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年5月12日、25/26年度最初の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。
これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億6498万トン(前年度比3.6%増)と前年度からやや増加し、過去最高の更新が見込まれている。このうち、主要生産国である米国、アルゼンチン、ウクライナなどは、作付面積の増加により前年度からの生産増が見込まれている。
輸入量は、世界全体で1億8748万トン(同2.2%増)と前年度からわずかな増加が見込まれ、このうち、中国は1000万トン(同25.0%増)と大幅な増加が見込まれている。
消費量は、世界全体で12億7443万トン(同1.9%増)と前年度からわずかに増加し、2年連続で過去最高を更新する生産量を上回るとされる。
輸出量は、世界全体で1億9581万トン(同3.4%増)と前年度からやや増加が見込まれている。このうち、主要輸出国であるブラジルは据え置かれたものの、米国、アルゼンチン、ウクライナなどの主要輸出国はいずれも増加が見込まれている。
この結果、期末在庫は、消費量および輸出量の伸びが生産量および輸入量を上回ったことで、2億7784万トン(同3.3%減)とやや減少が見込まれている。
【需給、価格動向:トウモロコシ】
米国は生産量の増加などから期末在庫は大幅に増加
USDA/WAOBは2025年5月12日、2025/26年度(9月〜翌8月)最初の米国のトウモロコシ需給見通しを公表した(表)。
米国内生産量は、作付面積と単収の増加から158億2000万ブッシェル(4億184万トン(注)、前年度比6.4%増)と前年度からかなりの程度増加が見込まれている。
米国内消費量は、飼料等向けの増加により127億8500万ブッシェル(3億2475万トン、同1.1%増)とわずかな増加が見込まれている。
輸出量は、他の輸出国に比べて比較的競争力のある米国産トウモロコシ価格を背景に、26億7500万ブッシェル(6795万トン、同2.9%増)とわずかな増加が見込まれている。
この結果、期末在庫は18億ブッシェル(4572万トン、同27.2%増)と大幅な増加が見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、11.6%(同2.3ポイント増)と、前年度を上回ると見込まれている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.20米ドル(603円。1キログラム当たり24円、同3.4%安)と前年度からやや下落する見込みである。
(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
【貿易動向:トウモロコシ】
25年3月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
2025年3月の米国のトウモロコシ輸出量は、735万2053トン(前年同月比24.5%増、前月比21.5%増)と前年同月を大幅に上回り、前月から大幅に増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり239.4米ドル(3万4371円、同6.4%高、同0.4%高)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からわずかに上昇した。
【貿易動向:コーンスターチ】
25年3月の輸出量は前月からわずかに減少、輸出価格は前月からかなりの程度上昇
2025年3月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万7619トン(前年同月比4.7%増、前月比0.7%減)と前年同月をやや上回り、前月からわずかに減少した(表、図)。
同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり791.6米ドル(11万3650円、同3.9%高、同9.7%高)と前年同月をやや上回り、前月からかなりの程度上昇した。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、25年4月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり15.82米セント(注)(22.7円、前年同月比6.9%高、前月比4.7%安)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からやや下落した(図)。
(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
【生産動向】
24/25年度のキャッサバ生産量は増産見込み
タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)が公表した「農業経済2025年4月」によると、2024/25年度(10月〜翌9月)のキャッサバ収穫面積は、863万ライ(138万ヘクタール(注1)、前年度比2.5%増)とわずかに増加し、単収は1ライ当たり3.15トン(1ヘクタール当たり19.70トン、同0.9%減)とわずかな減少が見込まれている(表)。この結果、生産量は2720万トン(同1.6%増)と20/21年度以来の増加が見込まれているものの、減少前の水準には回復しないとされる。政府によるキャッサバの生産と流通・輸出促進政策がとられているが、キャッサバの取引価格は下落傾向が続いている。現地報道によると、トランプ政権による関税措置により米国から中国への農作物輸出が減少し、中国の飼料生産原料としてタイ産キャッサバの需要が高まる可能性があるとされるが、先行きは不透明である。
タイでは、18/19年度からキャッサバモザイク病(注2)の感染が拡大している。農業普及局によると、25年5月15日現在の感染状況は、37県で86万4256ライ(13万8281ヘクタール、前月比2.3%増)とわずかに増加している。同局は、近隣国から流入する感染苗の監視強化や生産者に対する抵抗性品種栽培の推奨などを継続している。キャッサバモザイク病に対する新たな抵抗品種開発や増殖の取り組みが進められているものの、普及には時間がかかるとされており、生産量への影響が懸念される。
(注1)1ライを0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)ウイルス感染により葉に黄化斑が発生する病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物が枯死してしまうため、収穫量が大幅に減少する。タイのほかに、近隣国のベトナムやカンボジアで流行が確認されている。
【価格動向】
国内価格は前月からわずかに下落
タイ・タピオカでん粉協会(TTSA)によると、2025年5月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり13.05バーツ(56.5円、前年同期比30.2%安、前月同週比2.2%安)と前年同期を大幅に下回り、前月からわずかに下落した(図)。
【貿易動向】
25年2月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
2025年2月のタピオカでん粉輸出量は、33万7024トン(前年同月比3.4%減、前月比27.4%増)と前年同月をやや下回り、前月から大幅に増加した(表、図)。
同月の輸出価格(FOB価格・バンコク)は、1トン当たり431.3米ドル(6万1922円、同25.6%安、同1.8%高)と、前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに上昇した。
【貿易動向】
25年2月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月並み
2025年2月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万8214トン(前年同月比7.3%減、前月比8.6%減)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり982.6ユーロ(16万822円、同12.0%高、同0.0%高)と前年同月をかなり大きく上回り、前月並みとなった。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
25年2月の輸出量は前月からかなり大きく増加、輸出価格は前月からわずかに下落
2025年2月の化工でん粉の輸出量は、9万2571トン(前年同月比13.1%増、前月比12.1%増)と前年同月をかなり大きく上回り、前月からかなり大きく増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり848.7米ドル(12万1848円、同8.4%安、同1.1%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに下落した。
【貿易動向】
25年2月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からやや下落
2025年2月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万4759トン(前年同月比8.9%減、前月比7.4%減)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1511.6ユーロ(24万7404円、同6.0%安、同3.0%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からやや下落した。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
25年2月の輸出量は前月からやや減少、輸出価格は前月からやや上昇
2025年2月の化工でん粉の輸出量は、2万1398トン(前年同月比13.7%減、前月比5.4%減)と前年同月をかなり大きく下回り、前月からやや減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり1733.2米ドル(24万8836円、同2.9%高、同3.5%高)と前年同月をわずかに上回り、前月からやや上昇した。
【貿易動向】
25年3月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月からやや上昇
2025年3月の化工でん粉の輸出量は、1万5139トン(前年同月比22.2%減、前月比37.7%増)と前年同月を大幅に下回り、前月から大幅に増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1288.0米ドル(18万4918円、同10.7%高、同4.0%高)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からやや上昇した。
【貿易動向】
25年2月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月からかなりの程度上昇
2025年2月の化工でん粉の輸出量は、3552トン(前年同月比9.2%減、前月比36.8%増)と前年同月をかなりの程度下回り、前月から大幅に増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1701.2米ドル(24万4241円、同5.2%高、同6.7%高)と前年同月をやや上回り、前月からかなりの程度上昇した。