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2 日本の品目別主要輸入先の動向

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最終更新日:2025年12月10日

2 日本の品目別主要輸入先の動向

2025年12月


 本稿中の為替レートは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年10月末日TTS相場の1米ドル=155.10円、1ユーロ=179.81円、1タイバーツ=4.85円を使用した。

 なお、本稿中の輸出価格は品目に応じて以下の価格を使用。

 ・FAS(Free alongside ship)価格:貨物が輸出国の埠頭(ふ とう)または(はしけ)に置かれた時点までの費用を含めた価格。
 ・CFR(Cost and Freight)価格:貨物が輸出国の船上に置かれた時点までの費用および輸入国までの運賃を含めた価格。
 ・FOB(Free on Board)価格:貨物が輸出国の船上に置かれた時点までの費用を含めた価格。

トウモロコシ・コーンスターチ

世 界

【需給動向:トウモロコシ】
25/26年度は消費量の上方修正から期末在庫は下方修正
 
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年11月14日、10月1日以降閉鎖されていた米国政府機関の業務再開に伴い、2カ月ぶりに2025/26年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。

 これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億8623万トン(前年度比4.5%増)と9月から35万トン下方修正された。主要生産国では米国の下方修正がEUの上方修正を上回った。

 輸入量は、世界全体で1億9112万トン(同4.0%増)と9月から208万トン下方修正された。EUが2100万トン、中国が800万トンと前月からそれぞれ200万トン下方修正されたことなどが反映された。

 消費量は、世界全体で12億9654万トン(同3.3%増)と9月から718万トン上方修正され、引き続き高水準を維持している。主要生産国ではブラジルおよびアルゼンチン、ウクライナの上方修正が反映された。

 輸出量は、世界全体で2億347万トン(同7.9%増)と9月から176万トン上方修正された。主要生産国では米国の上方修正がウクライナの下方修正を上回った。

 この結果、期末在庫は、消費量および輸出量の上方修正が生産量および輸入量の下方修正を上回ったことで、2億8134万トン(同3.5%減)と9月から6万トン下方修正された。
 

2

米 国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
米国は生産量の増加などから期末在庫は大幅に増加
 
USDA/WAOBは2025年11月14日、2025/26年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表した(表)。

 米国内生産量は、167億5200万ブッシェル(4億2552万トン(注)、前年度比12.5%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。

 米国内消費量は、130億8000万ブッシェル(3億3225万トン、同6.2%増)と前年度からかなりの程度増加が見込まれている。

 輸出量は、30億7500万ブッシェル(7811万トン、同8.7%増)と前年度からかなりの程度増加が見込まれている。

 期末在庫は、21億5400万ブッシェル(5471万トン、同40.6%増)と前年度から大幅な増加が見込まれている。

 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、13.3%(同3.2ポイント増)と、前年度を上回ると見込まれている。

 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.00米ドル(620円。1キログラム当たり24円、同5.7%安)と前年度からやや下落が見込まれている。

(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
 

3

【貿易動向:トウモロコシ】
25年8月の輸出量は前月からわずかに増加、輸出価格は前月からわずかに下落
 
2025年8月の米国のトウモロコシ輸出量は、640万9198トン(前年同月比25.3%増、前月比2.8%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からわずかに増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり219.8米ドル(3万4091円、同5.0%高、同0.7%安)と前年同月をやや上回り、前月からわずかに下落した。
 



 

4

【貿易動向:コーンスターチ】
25年8月の輸出量は前月からかなり大きく増加、輸出価格は前月からやや上昇
 
2025年8月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万9023トン(前年同月比8.5%増、前月比14.0%増)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からかなり大きく増加した(表、図)。

 同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり727.7米ドル(11万2866円、同3.5%安、同5.5%高)と前年同月をやや下回り、前月からやや上昇した。

 






 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、25年8月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり15.19米セント(注)(23.6円、前年同月比2.8%高、前月比4.5%安)と前年同月をわずかに上回り、前月からやや下落した(図)。

(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
 

5

タピオカでん粉

タ イ

【生産動向】
24/25年度のキャッサバ生産量は減少の見込み
 
タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)が公表した「農業経済2025年10月」によると、2024/25年度(10月〜翌9月)のキャッサバ収穫面積は、864万ライ(138万ヘクタール(注1)、前年度比2.6%減)とわずかに減少し、単収は1ライ当たり3.12トン(1ヘクタール当たり19.53トン、同3.2%減)とやや減少が見込まれている(表)。この結果、生産量は2698万トン(同5.7%減)とやや減少が見込まれている。

 タイでは、18/19年度からキャッサバモザイク病(注2)の感染が拡大しており、農業普及局によると、25年11月13日現在の感染面積は、37県で119万298ライ(19万448ヘクタール、前月比1.8%減)とわずかに減少している。同局は、近隣国から流入する感染苗の監視強化や生産者に対する抵抗性品種栽培の推奨などを継続しており、でん粉団体と協力し生産者の収入安定と産業の持続可能性を支えることを目指している。なお、同局は24年に20万本の抵抗性品種を配布しており、26年には220万本に拡大する予定である。

 タイのキャッサバの農家庭先価格は24年以降下落傾向が続いており、政府による対応が求められている。11月に開催されたキャッサバ政策管理委員会において、政府はキャッサバ産業支援策として1)価格安定化、2)生産および加工促進、3)市場拡大、4)病害対策―の四つの主要措置を定め、総額12億8000万バーツ(62億800万円)の予算を承認した。

 (注1)1ライを0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
 (注2)ウイルス感染により葉に黄化斑が発生する病気で、光合成機能が低下し、枯死することもあるため収穫量が大幅に減少する。タイのほかに、近隣国のベトナムやカンボジアで流行が確認されている。
 

6

【価格動向】
国内価格は前年同期をかなりの程度下回り、前月からはわずかに上昇

 タイ・タピオカでん粉協会(TTSA)によると、2025年11月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり13.60バーツ(66.0円、前年同期比8.7%安、前月同週比1.1%高)と前年同期をかなりの程度下回り、前月からわずかに上昇した(図)。
 

7

【貿易動向】
25年8月の輸出量は前月からやや減少、輸出価格は前月からわずかに上昇
 
2025年8月のタピオカでん粉輸出量は、19万1197トン(前年同月比33.0%減、前月比5.4%減)と前年同月を大幅に下回り、前月からやや減少した(表、図)。

 同月の輸出価格(FOB価格・バンコク)は、1トン当たり450.0米ドル(6万9795円、同15.1%安、同0.7%高)と、前年同月をかなり大きく下回り、前月からわずかに上昇した。
 



 

8

ばれいしょでん粉

E U

【貿易動向】
25年8月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からわずかに下落
 
2025年8月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万893トン(前年同月比3.9%増、前月比9.5%減)と前年同月をやや上回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり924.8ユーロ(16万6288円、同0.3%高、同2.6%安)と前年同月並みであり、前月からわずかに下落した。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。




 

9

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要国・地域別輸出量および輸出価格は、以下の通りである。

タ イ

【貿易動向】
25年8月の輸出量は前月からやや減少、輸出価格は前月からやや下落
 
2025年8月の化工でん粉の輸出量は、8万9213トン(前年同月比6.2%減、前月比3.8%減)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からやや減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり810.4米ドル(12万5693円、同11.7%安、同3.1%安)と前年同月をかなり大きく下回り、前月からやや下落した。

 


 

10

E U

【貿易動向】
25年8月の輸出量は前月からやや減少、輸出価格は前月からわずかに上昇
 
2025年8月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万1386トン(前年同月比4.8%増、前月比5.7%減)と前年同月をやや上回り、前月からやや減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1535.0ユーロ(27万6008円、同0.1%高、同1.4%高)と前年同月並みであり、前月からわずかに上昇した。

 (注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。




 

11

米 国

【貿易動向】
25年8月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からやや下落
 
2025年8月の化工でん粉の輸出量は、2万5715トン(前年同月比7.3%増、前月比8.3%増)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり1635.8米ドル(25万3713円、同1.9%高、同3.3%安)と前年同月をわずかに上回り、前月からやや下落した。

 


 

12

中 国

【貿易動向】
25年9月の輸出量は前月からかなり大きく減少、輸出価格は前月からかなりの程度上昇
 
2025年9月の化工でん粉の輸出量は、1万4816トン(前年同月比11.2%減、前月比13.1%減)と前年同月をかなり大きく下回り、前月からかなり大きく減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1246.7米ドル(19万3363円、同12.9%高、同6.9%高)と前年同月をかなり大きく上回り、前月からかなりの程度上昇した。
 



 

13

豪 州

【貿易動向】
25年8月の輸出量は前月から大幅に減少、輸出価格は前月から大幅に上昇
 
2025年8月の化工でん粉の輸出量は、3128トン(前年同月比19.9%減、前月比16.9%減)と前年同月を大幅に下回り、前月から大幅に減少した(表、図)。

 また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1871.7米ドル(29万301円、同16.3%高、同17.6%高)と前年同月を大幅に上回り、前月から大幅に上昇した。

 


 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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