【まめ知識】でん粉って何に使われている?
〜でん粉の意外な使い道〜
最終更新日:2025年7月7日
広報webマガジン「alic」2025年7月号
みなさんは、でん粉と聞いて何を思い浮かべますか。おそらく、白い粉の形で使われる片栗粉を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実は、でん粉は直接食品に使われるほか、清涼飲料水などの原材料として使われる糖化製品(果糖ぶどう糖液糖(異性化糖)など)の原料にもなっています。また、でん粉は原料となる植物の種類によってさまざまな物に使われています。
そこで、今回は、姿を変えて、私たちの生活で身近な存在となっているでん粉の種類と用途についてご紹介します。 |
1 でん粉の種類と食品への利用
でん粉は、植物が光合成をすることで作られる多糖類で、ほとんどの植物に存在することから、原料の種類がたくさんあります。代表的なでん粉は、とうもろこしを原料とする「コーンスターチ」、ばれいしょ(じゃがいも)を原料とする「ばれいしょでん粉」、かんしょ(さつまいも)を原料とする「かんしょでん粉」、キャッサバを原料とする「タピオカでん粉」などです。
でん粉は、熱を加えてのり状にすることで、粘性、弾力性、保水性などさまざまな特性を持ちます。また、原料の違いによって粘りの強さが異なることから、それぞれの特徴を生かしてさまざまな用途に使われ、料理のとろみ付けや、もちもち感やサクサク感、弾力などを生み出します。
さらに、でん粉は、酸や酵素で分解すると甘味を有するでん粉糖になるため、清涼飲料水などでも利用されています。
コンビニやスーパーマーケットで見かける多くの食品にでん粉が使われていて、麺のコシの持続や、
品質の保持、食感の改良など、私たちの食生活を豊かにしています。ひょっとしたら、私たちはでん粉が使われた食品を毎日、口にしているかもしれませんね。それだけ、でん粉は私たちの生活に身近な存在です。
2 でん粉の意外な使い道
さらに驚くことにでん粉は、工業分野にも使用されています。原料でん粉の特徴を生かしつつ、加工によりさまざまな特性を引き出すことができます。
例えば、でん粉を熱湯に溶かすことで出来る粘性の液体は、パルプの繊維同士を接着することで、紙の強度を上げるため、製紙業でよく使われます。段ボールは、波型のシートを2枚のシートで挟む構造となっていますが、この各シート間の接着にもでん粉が使われています。この特性は、接着剤やテープの糊にも利用されています。
その他、薬を飲む際に使うオブラートや、錠剤の添加剤、精密機械の製造、インキなどでも利用されています。
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