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最終更新日:2010年3月7日
でん粉情報 |
[2010年3月]
調査情報部
農林水産省は、2010年2月にでん粉の需給見通しを公表した(表1)。
表1
でん粉の需給見通し |
(単位:千トン) |
資料:農林水産省 注1:ラウンドの関係で合計と内訳が一致しない場合がある。 注2:( )書きは、前年度との差である。 |
これによると、我が国の21でん粉年度(10〜9月)の総需要量は、前年度8万5000トン減の267万4000トンの見込みである。うち、需要の約2/3を占める糖化製品については、前年度6万8000トン減の176万トンとなっている。減少の理由は、異性化糖の販売実績の減、ビールメーカーによる発泡酒の減産見込み、さらに液状ぶどう糖の需要が工業用を中心に減少していることなどである。化工でん粉についても、製紙・段ボール用需要の減少から、前年度4000トン減となる33万4000トンの見込みとなっている。
(単位:千トン) |
注1:その他は、片栗粉、菓子、めん類、調味料、建材、医薬、飼料などの合計である。 注2:21でん粉年度は見込みである。 資料:農林水産省 |
図1
用途別でん粉需要量の推移 |
21でん粉年度の供給見込みについては、かんしょでん粉が前年度6000トン増の4万8000トン、ばれいしょでん粉が同2万8000トン減の19万2000トン、コーンスターチが同5万3000トン減の227万1000トンとなっている。かんしょでん粉は、原料用かんしょの生育期に天候に恵まれ、集荷量が前年度1万7000トン増の16万6000トンになったことから、前年度比13.0%の増を見込んでいる。一方、ばれいしょでん粉については、北海道における夏期の天候不順(長雨および冷夏)の影響により原料ばれいしょが不作となったことから、前年度比12.6%の減少と見込まれる。コーンスターチについては、当面、供給面の不安はないものと考えられるが、主な需要先である糖化製品向け需要の減少などから前年度比2.3%減と見込まれる。
(単位:千トン) |
注:21でん粉年度は見込みである。 資料:農林水産省 |
図2
でん粉種類別供給量の推移 |
資料:農林水産省(原資料:貿易統計)
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図3 外国産でん粉輸入量の推移
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また、20でん粉年度の外国産でん粉の輸入量は、前年度比0.8%減の17万トンとなった。種類別にはタピオカでん粉が14万2000トンと全体の83.5%を占めている。このほとんどがタイからの輸入である。次いで、サゴでん粉1万6,000トン、ばれいしょでん粉1万1000トンと続いている。ばれいしょでん粉については、ほとんどがEU諸国からの輸入であるが、前年度の2000トンから約5倍に増加している。