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原料作物の動向

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最終更新日:2010年3月6日

でん粉情報

[2007年12月]

【国内外の需給動向[海外]】

調査情報部


1.小麦の動向

 世界の主要生産国における2007/08年度の小麦生産量は、前年度より1,000万トン程度増加し、6億100万トンになると見られる。
  EU(27カ国)では、生育時期の天候が国により暑く乾燥していたり、降雨が非常に多かったりとまちまちであったが、生産量は全体として前年度に比べ2%減少し、1億2,300万トンになると見込まれている。特に、主要生産国であるフランスでは、生産量は前年と同程度であるが、天候と病害による影響で品質が落ちている。
  米国では、2007/08年の収穫が終了しており、対前年度比18%増の5,800万トンになる見込みである。そのほかインド、ロシアでは、それぞれ9%、2%増加する見込みだが、カナダでは作付面積の削減に加えて、7月の暑く乾燥した天候が影響し、19%の減少になると見込まれる。
  一方、2007/08年度の消費量は、前年度より400万トン程度増加し、6億1,400万トンになると見られる。内訳として、食料としての消費は、4億4,400万トンで1%の増加にとどまっているが、エタノール原料としての需要が工場の操業開始などにより、前年度の1,500万トンから1,800万トンに増加すると見られている。飼料としての消費は、小麦価格の著しい上昇によるEUでの減少が米国での増加を上回り、約300万トン減少し9,500万トンになる見込みである。
  オーストラリアでは、2007/08年度の小麦の作付面積が前年度に比べて10%増加し、1,226万haになると予想される。しかし、主産地での降雨が平均を下回るとみており、生産量は、過去5年間(2001/02年度から2005/06年度)の平均を約600万トン下回るが、干ばつの影響を受けた前年度の980万トンを上回る1,550万トンになるとしている。最終的な生育状況は、9月から10月の降雨が大きく影響することになる。


2.とうもろこしの動向

 2007/08年度のとうもろこしの生産量は、米国とカナダでの大幅な増加が他の天候に恵まれなかった生産国での減少を上回り、世界全体で前年度を10%上回る7億7,400万トンになると予想される。
  米国での2007/08年度の作付面積は、前年度に比べて19%増加し、3,800万haになるとしている。エタノール原料としてのとうもろこしの需要が増加していることから、価格が上昇し、他の作物よりも収益が良いことから作付面積が増加している。米国農務省によると、過去2番目に高い収量になり、生産量は前年度から7,000万トン増加し、3億3,800万トンになると見ている。
  また、カナダでも、とうもろこし価格が高いために作付面積が増加し、生産量は前年度に比べて18%増加の1,060万トンになるとしている。
  その他、中国では、価格が高いことに加えて、国内での需要が好調であるために生産量が継続的に伸びており、前年度の1億4,500万トンから1億4,700万トンに増加すると見られている。EUでは、作付面積は増加しているが、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリーなどでは6月から7月にかけての干ばつや熱波の影響を受けたため収量が期待できない。そのため、生産量は前年度より15%減少し、4,700万トンになるとしている。アルゼンチンおよびブラジルの生産量は、前年と同程度で、それぞれ2,300万トンおよび5,000万トンとしている。
  消費量では、特に米国でのエタノール原料としての需要が大きく伸び、収穫量の約27%がエタノール生産に使われると見ている。飼料としての消費は価格が高いことから減少し、輸出での需要が高まるとしている。

(出典:豪州農業資源経済局(ABARE)農産品需給予測(2007年第3四半期))


小麦の生産量および消費量予測
(百万トン)