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海外トピックス[2010年2月]

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最終更新日:2010年3月6日

でん粉情報

[2010年02月]

【海外トピックス】

調査情報部 調査課

1.タイ

3本柱からなるキャッサバ4カ年戦略の枠組み合意

 現地報道によると、1月8日、キャッサバ政策委員会において、2011年〜2014年キャッサバ4カ年戦略が枠組み合意に至った。この戦略は3つの柱からなっており、①農家登録システムの構築、適地における生産の推進、関連産業の育成による生産量の増加、加工品の高付加価値化②現在、原料ベースで約7割以上が海外に輸出されている状態から、内需の拡大を図り、効率的な物流システムを構築する③病害虫への耐性を持った品種改良などの研究および人材の育成−となっている。


2.米国

(1) とうもろこしの推定生産量は過去最大。期末在庫を引き上げたが価格は上方修正

 米国農務省(USDA)は1月12日、2009年産の主要農作物の生産・需要見通しを公表した。米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が公表した「Crop Production2009Summary」によると、2009年産のとうもろこしの推定生産量は11月の予測値から2億3000万ブッシェル引き上げられ、これまで最大であった2007年産の130億3800万ブッシェル(1ブッシェル=25.4kg)を上回る131億5106万ブッシェル(前年比8.8%増)となった。1エーカー当たり収量は11月の予測値から2.3ブッシェル上方修正され、これまで最大であった2004年産の160.3ブッシェルを上回る165.2ブッシェルとなった。

 一方、世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が公表した1月の世界農産物需給推計の月次報告によると、2009/10穀物年度(2009年9月〜2010年8月)の米国のとうもろこし需要予測量は、前月から1億4000万ブッシェル引き上げられ、130億7000万ブッシェル(前年度比8.4%増)になるとされている。用途別に前月予測量と比べると、飼料等向けは1億5000万ブッシェル増、エタノール向けは変わらず、食品加工用向けは甘味料の需要低迷などにより1000万ブッシェル減とされており、輸出向けについては変わらないが、飼料等向けが増えたことで全体の需要も引き上げられている。

 需要予測量が引き上げられたが推定生産量の引き上げがそれを上回り、2009/10年度末の在庫予測量は、前月から8900万ブッシェル引き上げられ、17億6400万ブッシェルに上方修正されている。これは2005/2006年度以降最大の在庫量となるが、需要に対する在庫の割合が前年度の13.9%を下回る13.5%となっていることと、依然として先物および現金価格が堅調なことから、USDAは2009/10年度の平均農家販売価格を前月から0.15ドル/ブッシェル引き上げて3.40〜4.00ドル/ブッシェルになると予測している。


表1 米国におけるとうもろこしの需給見通し(2010年1月12日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」、USDA「GRAINS AND OILESEEDS OUTLOOK FOR 2009」
注:年度は、各年9〜8月

表2:世界のとうもろこしの需給見通し(2010年1月12日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
注:年度は、世界各国の穀物年度の単純合計

(2) エタノール

 LMC社によると、シカゴ商品取引所のエタノールの平均価格は、11月の1リットル当たり0.58ドルから12月は0.57ドルとわずかに下落した。需要は引き続き堅調で、2009年のRFS(再生可能燃料基準)で目標とした使用量を超えることはほぼ確実とみられている。


3.EU

エタノール需要が堅調

 LMC社によると、2009年12月現在、EUのエタノール需要は予想以上に持続しているため、需給はわずかにひっ迫する傾向となっている。この状況は、Ensus社とAgengoa社の大規模な新工場の稼働およびブラジルからのエタノール供給が始まるまでは続くとみられる。


4.ブラジル

エタノール価格が上昇

 LMC社によると、12月のエタノール平均価格は、含水エタノールが1リットル当たり11月の0.94レアル(同0.54USドル)から12月は1.00レアル(同0.57USドル)に、無水エタノールが、11月の1.09レアル(同0.63USドル)から12月は同1.13レアル(同0.64USドル)に、ともに値を上げた。

 さとうきびの圧搾の端境期のため、政府はエタノール在庫の不足を見込み、2月1日から90日間、エタノールのガソリンへの法定混合率を現在の25%から20%に引き下げるとしている。