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豪州農業資源経済局、穀物・油糧種子の生産見通しを発表

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2010/11年度における小麦の生産量は増加、価格は低下する見込み

 豪州農業資源経済局(ABARE)は3月上旬、穀物および油糧種子の生産見通しを発表した。
2010/11年度(7〜6月)の短期見通しとして、代表的な穀物である小麦については、作付面積は前年度並みの1375万ヘクタール、生産量は前年度比1.3%増の2194万トンと見込まれている。こうした良好な生産見込みを反映し、小麦のプール価格(指標価格となるAPW:オーストラリアン・プレミアム・ホワイトの取引価格)は、同6.7%安の1トン当たり235豪ドル(20,445円:1豪ドル=87円)と見込まれている。また、2010/11年度の輸出状況については、輸出量が前年度並みの1389万トン、輸出額が前年度比3.8%減の38億3600万豪ドル(3337億円)と予測されている。
 また、大麦は作付面積が、前年比1.5%減の441万ヘクタール、生産量が同1.2%減の795万トン、ソルガムは作付面積が同11.9%増の48万ヘクタール、生産量が同10.8%増の139万2千トンと見込まれている。
表

穀物・油糧種子とも中期的には増産の見込み

 2014/15年度までの5年間の中期見通しとして、穀物および油糧種子の年平均作付面積は、2350万ヘクタールと見込まれている。これは、2009/10年度までの10年間の平均である2250万ヘクタールを、4.4%上回っている。
 1990年代以降、穀物の作付面積は増加傾向にあり、特に、小麦・羊の生産地帯において顕著である。ABAREでは、中期的に、これらの生産地帯においては、羊の価格が比較的高い水準で推移するとみられることから、小麦生産と羊生産の競合が強まるものと見込んでいる。なお、豪州の羊飼養頭数は、2000年初めの1億1千万頭に比べるとかなり下回るものの、2009/10年度の6800万頭から2014/15年度に7200万頭まで増加すると予測している。
 一方、2014/15年度までの5年間の穀物および油糧種子の年平均生産量は、天候が良好である場合、4300万トンと見込まれている。こうした増産予測は、作付面積の増加と生産性の向上による単収の増加見込みによるものであるとしている。
【玉井 明雄 平成22年4月8日発】
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