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生産コスト上昇の中、フィードロット飼養頭数が減少(豪州)

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飼養頭数は前回調査比7.7%減少、前年同期比で増加

 豪州フィードロット協会(ALFA)は4月21日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2010年3月期)を公表した。これによると、2010年3月末時点の総飼養頭数は71万頭と、前年同月比で4.9%増加したものの、前回調査(2009年12月期)比では7.7%減とかなり減少した。また、フィードロットの収容能力頭数は、前回とほぼ同水準の126万4千頭となり、この結果フィードロット稼働率は56%と前回調査時から5ポイント低下した。
 州別に飼養頭数を見ると、クイーンズランド(QLD)州は前回調査比10.2%減の38万8千頭、ニューサウスウェールズ(NSW)州でも同12.4%減の20万9千頭とそれぞれかなり減少した。 一方、ビクトリア(VIC)州は同14.9%増の6万4千頭、南オーストラリア(SA)州は同21.7%増の2万2千頭、西オーストラリア(WA)州は同8.3%増の2万9千頭とそれぞれ増加した。
州別飼養頭数内訳

素牛価格、穀物価格はそれぞれ上昇

 飼養頭数が前回調査に比べ減少した要因としてALFAは、飼料穀物価格や素牛の価格上昇を挙げている。このうち、飼料穀物価格については、夏穀物であるソルガムの減産見込みにより、前年比15%高と高値で推移した。また、素牛価格については、1月〜2月の適度な降水によりグラスフェッド生産者が素牛出荷を抑制し、供給量が減ったため上昇した。このほか、主要通貨に対し高値で推移する豪ドル為替相場、および日本、韓国など主要輸出市場での米国産牛肉との競合などの輸出環境も減少要因とみている。
 MLAによると、1月〜3月のグレインフェッド牛肉輸出量は、日本向けが前年同期比4%減、韓国向けが同53%増と健闘したが、米国産牛肉の日本、韓国への輸出は、豪ドル高と米国による積極的な販売促進活動によりそれぞれ増加傾向にあると分析している。
 ALFAのカドモア会長は、新シーズンの冬穀物の順調な作付け見込みなどから、近い将来フィードロットの稼働率が上昇し、効率的な生産につながるのではとコメントしている。
フィードロット飼養頭数などの推移
【玉井 明雄 平成22年4月26日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:岡田 岬)
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