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米国農務省、2010/11年度のトウモロコシは前年度をさらに上回る生産量を予測

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 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は5月11日、2010/11穀物年度(2010年9月〜2011年8月。以下、「年度」)における国内外の主要農作物の需給見通しを公表した。これによると、米国におけるトウモロコシの生産予測量は、順調な作付けを反映し、前年度の記録を更新、2月19日に農業観測会議で公表された予測値が上方修正された。

米国の2010年産トウモロコシの生産量は前年度産をさらに上回る見込み

 米国における2009/10年度のトウモロコシ生産量は、本年2月の農業観測会議における予測量(131億6000万ブッシェル)よりわずかに引き上げられ、過去最大を記録した前年度を2.0%上回る133億7000万ブッシェルになると予測されている。

 今回の上方修正は、3月上旬に実施された生産者意向調査結果に基づく予測作付面積は、8900万エーカーから8880万エーカー(前年度比2.7%増)にわずかに減少されたものの、作付の順調な進行により予測単収が、1990〜2009年までの伸びに基づく傾向値を2.6ブッシェル上回る1エーカー当たり163.5ブッシェルとされたことによる。

 一方、2010/11年度のトウモロコシ国内消費量は、2月の予測値をわずかに上回る113億ブッシェル(前年度比1.8%増)と見込まれている。これを用途別に見ると、エタノール向けが連邦政府による使用義務量の引き上げを反映して46億ブッシェル(同4.5%増)に増加する一方、飼料等向けは家畜飼養頭数の減少やDDGsへの代替が進んでいることなどから、53億5000万ブッシェル(同0.5%減)とわずかに減少すると見込まれている。また、輸出向けについては、供給量の増大と価格の低下から20億ブッシェル(同2.6%増)に増加すると見込まれている。

 このように、消費量の伸びを上回る生産量の増加が見込まれることから、2010/11年度の期末在庫数量は、18億1800万ブッシェル(前年度比4.6%増)に増加すると予測されている。また、生産者平均販売価格については、前年度(ブッシェル当たり3.50〜3.70ドル)とほぼ同程度(同3.20〜3.80ドル)になると予測されている。

2010年産大豆は需要が低下し在庫が膨らむ見込み

 2010/11年度における米国の大豆生産量は、前年度を1.5%下回る33億1000万ブッシェルになると予測されている。2月に比べてわずかに予測生産量が引き上げられたのは、作付予測面積が3月の生産者意向調査の結果を受けて110万エーカー引き上げられ7810万エーカー(前年度比0.8%増)となったことによるもので、予測単収は1エーカー当たり42.9ブッシェル(同1.5%減)と2月の予測値が据え置かれている。

 これに対し、2010/11年度の大豆総消費量は、2月の予測値から300万ブッシェル引き下げられ、31億4400万ブッシェル(前年度比5.4%減)になると見込まれている。用途別に見ると、国内搾油向けはバイオディーゼル向けは増えるものの、食用向けの減少が16億4000万ブッシェル(同5.5%減)と大きく減少、輸出向けについても競合するアルゼンチンとインドの輸出増の影響により、13億5000万ブッシェル(同7.2%減)に減少すると予測されている。

 生産量が前年を下回るものの、それを上回る需要の減退から2010/11年度の大豆の期末在庫数量は、前年度の2倍近い3億6500万ブッシェル(前年度比192.1%増)にまで膨らむと予測されている。また、ブッシェル当たりの生産者平均販売価格は、需給の緩和を受けて前年度の9.50ドルより弱含み8.00〜9.50ドルになると予測されている。
米国飼料穀物需給
【中野 貴史 平成22年5月11日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:藤井)
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