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養鶏産業を統括するブラジル養鶏連合(UBABEF)の創設(ブラジル)

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旧ブラジル養鶏連合(UBA)とブラジル鶏肉輸出業者協会(ABEF)との統合

 ブラジル養鶏連合(UBA)とブラジル鶏肉輸出業協会(ABEF)は2010年4月28日、それぞれ臨時総会を開き、両団体を統合した「ブラジル養鶏連合」(UBABEF)の創設を可決した。

 国内最大級の養鶏団体となるUBABEFは、初代会長に前ABEF会長フランシツコ・セルジオ・ツーハ氏を選出し、職員21名から成る事務局には管理財務部、市場(開発)部、生産技術部を配置、そのほかに12部門の評議会、経営審議会、諮問委員会を組織し、UBABEFの方針を検討していくこととなる。
 現在の会員は88社などであるが、これまでどちらの団体にも所属できなかった農業機械および飼料関連企業の加入も認め、ブラジルヒナ生産者協会(APINCO)、養鶏科学技術基金(FACTA)が協賛団体となるなど、これまで以上に広範囲な活動を行う予定となっている。

 なお、旧UBAは養鶏業界の利益擁護を目的として養鶏生産者を中心に1963年に創設され、種鶏、ヒナ、鶏卵、鶏肉などの生産に関する7部門を配置、国内需給に係る生産調整など指導的役割を担ってきた。一方、旧ABEFは鶏肉生産企業や輸出関連企業を中心に1973年に創設され、主に海外市場を睨んだ鶏肉輸出の開拓や輸出関税・非関税障壁に関する対策を行ってきた。


(参考)ブラジル養鶏連合の概要
(参考)ブラジル養鶏連合の概要

世界トップの衛生管理と品質を目指す

 ツーハ新会長によれば、鶏肉の2009年の国内市場における販売額、輸出額、飼料消費額(トウモロコシ、大豆粕など)の合計は343億レアル(約17836億円;1レアル≒52円)に及ぶと試算され、今後の国内外市場に対する鶏肉などの販売戦略は、ブラジル輸出振興庁(APEX)の支援の下、一元的にUBABEFが展開することとなる。
 旧ABEFのマーケット・マネージャーであるゼルビニ氏は次のようにコメントする。「ブラジル養鶏産業の国際競争力が一層増加するとともに、その影響は会員の従業員450万人に及ぶこととなる。本合併は、これまでUBAとABEFが行ってきた活動を網羅し、世界150か国で消費されているブラジル産鶏肉・卵製品の衛生管理水準と品質を世界トップレベルまで引き上げることによりブラジル養鶏部門の利益を守ることを目的に創設された。日本は鶏肉輸出先国として重要であると考えており、ブラジル産鶏肉に興味があれば、なんでもUBABEFに問い合わせてほしい。」
 
 2009年は、前年の国際金融危機の影響から業界全体の規模縮小を余儀なくされたブラジル産鶏肉産業であるが、2010年の回復を目指して新たな挑戦が始まったといえよう。
 
 
 
【星野 和久 平成22年5月12日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:藤原)
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