当地関係者からの情報によれば、5月20日に開催されたEU乳業管理委員会において、バターおよび脱脂粉乳の介入買入在庫の取扱いが議論され、25,000トン、66,000トンがそれぞれ次回の入札で放出されることとなった。入札の期限は6月1日とされている。
当地のバターおよび脱脂粉乳の卸売価格は3月以降急騰しており(図1)、これに伴い域内の生乳価格も回復基調にあると言われている。このような状況の中、乳製品貿易団体は繰り返し2009年に蓄積した介入買入在庫の放出を要請していたところであり、昨年来介入買入在庫の放出に慎重な姿勢を示していた欧州委員会も在庫放出に踏み切らざるを得なかったとみられる。
介入買入在庫については、生活困窮者の支援に仕向けられる量が既に決まっており(図2)、今回の入札による放出で将来市場に戻され得るバターの介入買入在庫はなくなる見通しであるが、脱脂粉乳については12万トンを超える在庫が将来の放出の対象となる。