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牛肉の自給率向上のための取り組み(マレーシア)

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 マレーシアは牛肉の輸入国であり、マレーシア農業・農業関連産業獣医サービス局によれば、2008年の牛肉自給率はわずか25.4%を占めるにすぎない。国内で消費される多くの牛肉・水牛肉はインドからの輸入によって賄われているが、その輸入のために多額の外貨を使用している。
 このためマレーシア政府は2006年3月、グマス地域に大規模な飼育および食肉施設を導入し、肉牛を増産する計画(ビーフバレー計画)を打ち出していた。(週報「海外駐在員情報」平成18年7月18日号(通巻728号)参照)
 グマス地域では国家肉牛肥育社(National Feedlot Corporation、以下「NFC」)によりフィードロットの整備が進められていたところであるが、2010年3月よりNFCはグマス黄金肉(Gemas Gold Meat)のブランドで、牛肉製品の販売を開始したとの発表を行っている。
 NFCの最高経営責任者であるWan Izran Mohamad Salleh氏は、この取り組みにより、2015年までに牛肉消費の40%を国内産で賄うという、政府の目標は達成できるとしている。なお、発表の中では現在の自給率は26%であると述べている。
 販売先は当面、国内向け、特にスーパーマーケット向けを中心とするとしている。
 同国は繁殖雌牛や肥育素牛については、豪州やニュージーランドから輸入していることから、今後、同域からの生体牛の輸入が増加する可能性がある。
 一方で、食肉生産の効率の問題や、インド産輸入水牛肉との競合を考えるとプロジェクトに懐疑的な見方もある。
表
【吉村 力  平成22年6月7日発】
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