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ニュージーランドの乳用牛輸出状況および見通し

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2004年以降は減少傾向

 2003〜2009年の生体牛輸出は、およそ23万頭であり、その9割を占める21万頭は乳用牛である。輸出先は世界15カ国にわたるが、中国向け(94,290頭)とメキシコ向け(94,042頭)がほぼ2分している。
 両国向け以外の輸出先としては、マレーシア、フィリピンなどの東南アジア諸国、ペルー、グアテマラといった中南米諸国、フィジー、ニューカレドニアといった近隣諸国がある。
 
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 主要な輸出先についてみてみると、マレーシア向けは一定の輸出があるものの、ごくわずかである。また、メキシコにおける2005年以降の増加は、米国でのBSE発生を受け、米国からメキシコへの輸出が途絶えたためであるが、メキシコ向け、中国向けともに年ごとに輸出頭数は大きく変動している。このようにニュージーランドの乳用牛輸出は、需要国の政策、規制および競合国である豪州や米国などの供給能力の変化が影響しているとみられ、安定していない。
 一方、1頭当たりの平均輸出価格(FOBベース)については、豪州産に比べ2〜4割安の1300〜1600NZドル(約8〜10万円:1NZドル=65円)で推移している。
 
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今後の乳用牛輸出の見通し

 今後の輸出見通しについて関係者((1)輸出業者(2)生産者(酪農家)(3)輸出に付随するサービス提供者(NZ政府認定獣医師や輸出用隔離施設運営者など))は、産業の発展・安定化には、NZ産乳用牛の恒常的な需要が必要であるとしている。また、NZ乳用牛輸出産業は、豪州や北米といった競合国の状況にかかわらず、以下の理由から、今後大きな産業になるとは予測していない。
 
・2009年現在、主要輸出先である中国のニーズ(乳固形分よりも乳量をより重視するため、純粋なフリージアン種を望むことやIBR(牛伝染性鼻気管炎)フリーといった輸入条件)を満たすことが難しいこと
・1頭当たりの輸出価格が国内の初妊牛市場価格をわずかに上回る程度である上、国際市場では豪州産を下回ること
・豪州系の生体牛輸出業者2社は、豪州からの供給を補完するためNZから調達していること
 
【杉若 知子 平成22年7月30日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:岡田 岬)
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