米国農務省、トウモロコシ生産量、消費量をそれぞれ上方修正
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が8月12日に公表した8月の世界農産物需給推計の月次報告によると、米国における2010/11穀物年度(2010年9月〜2011年8月。以下、「2010/11年度」)のトウモロコシ、大豆の生産予測量は、8月1日現在の全国作況調査を反映して単収が引き上げられ、過去最大となる生産量が予測されている。
トウモロコシの供給量は上方修正されたが、それを上回る需要量を見込む
トウモロコシの生産予測量は、前月の予測(132億4500万ブッシェル)から1億2000万ブッシェル引き上げられ、前年度を1.9%上回る133億6500万ブッシェルになると予測されている。これは、五大湖沿岸のコーンベルト諸州で良好な天候に恵まれたことなどから、1エーカー当たりの収量が昨年の記録を0.3ブッシェル上回る165.0ブッシェルに引き上げられたことによる。
同報告では、2010/11年度のトウモロコシの総供給量は前年度を0.1%上回る148億200万ブッシェルと予測されている。国内消費については、甘味料の需要増から食品・種子・その他工業向けが3000万ブッシェル上方修正され、輸出については、ロシアなどの干ばつの影響により世界の穀物生産量が減少すると見込まれることから、前月の予測より1億ブッシェル上方修正された。
生産量は上方修正されて過去最大が見込まれているものの、それを上回る消費量が予測されていることから、期末在庫は前月の予測を6100万ブッシェル下回る13億1200万ブッシェルとされている。この結果、生産者販売価格は前月の予測より1ブッシェル当たり上値、下値ともに0.05ドル上昇して3.50〜4.10ドルになると予測されている。
大豆は、供給量の増加と同量の需要量の増加を見込み、期末在庫は据え置く
大豆の需給見通しについては、1エーカー当たりの収量が前月の予測を1.1ブッシェル上回り、
昨年の記録に並ぶ44.0ブッシェルと予測されている。これにより生産量は、前月の予測(33億4500万ブッシェル)から8800万ブッシェル引き上げられ34億3300万ブッシェルになると予測されている。
消費量については、国内搾油向けが500万ブッシェル、輸出向けは6500万ブッシェル引き上げられるなど、総消費量は7300万ブッシェル上方修正されている。生産量の増加は消費量の増加で相殺され、2010/11年度の期末在庫は前月の予測を据え置いて3億6000万ブッシェルと予測されている。
これらの結果、2010/11年度の生産者販売価格は、前月の予測より1ブッシェル当たり上値、下値ともに0.40ドル上昇の8.50〜10.00ドルになると予測されている。
【中野 貴史 平成22年8月12日発】
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