2010年9月9に実施されたバターおよび脱脂粉乳の第6回介入買入在庫入札結果が10日付の官報で公表された。これによれば、バターは最低落札価格が設定されず全量不落となったものの、脱脂粉乳については、過去6回の入札で初めて最低落札価格が100キログラム当たり211ユーロ(約22,577円:1ユーロ=107円)と設定され、合計で1700トンが落札となった。
図1、2は、過去6回のバターおよび脱脂粉乳入札における応札価格帯、最低落札価格および市場価格を示したものであるが、最低落札価格が設定される場合は、その時点での市場価格に準じる水準で設定されていることが読み取れる。既報(注)の通り、入札を取扱う乳業管理委員会は原則2週間ごとに開催され、欧州委員会による最低落札価格案を応札価格帯の上限が下回った場合、最低落札価格を設定しないとの判断を下し、全量不落となるが、過去6回の入札の中で今回初めて脱脂粉乳の最低落札価格が設定されたことにより、欧州委員会の算定する最低落札価格案が入札時の市場価格に極めて近い水準であることが再確認された形となった。
バターについては、在庫が1,500トン程度とほぼ解消されているとみなせるものの、脱脂粉乳については合計19万トン余の在庫のうち78,000トンが次回以降の入札での放出対象となっており、今後の動向が注目される。