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畜産物取引価格の報告義務の延長が決定(米国)

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 オバマ大統領は9月27日、政府への畜産物価格の報告義務を延長する2010年価格報告義務法案(Mandatory Price Reporting Act of 2010 )に署名した。
 食肉加工業者(食肉パッカー)などが行っている畜産物取引価格の政府への報告は、1946年農業マーケティング法(Agricultural Marketing Act of 1946)により義務づけられているところであるが、同法は2010年9月30日に失効することとなっていたことから、今回成立した2010年価格報告義務法案により、報告義務が5年間延長されることになった。
 

報告義務の対象に新たに豚肉が追加

 食肉パッカーなどの取引価格の政府(米国農務省)への報告は、家畜の市場取引の減少により指標価格の形成が困難となる中、畜産物取引において食肉パッカーの優位性が増加傾向にあるとの批判を受けて、1999年畜産物義務報告法(Livestock Mandatory Reporting Act of 1999)により1946年農業マーケティング法の中で義務づけられ、2001年4月より開始された経緯がある。なお、同報告義務は2006年10月に延長されており、今回は2回目の延長となる。
 現行の報告義務の対象は、生体では牛、豚、子羊の取引価格、食肉では牛肉、ラム肉の卸売価格となっているが、2010年価格報告義務法案により、法制定後一年半以内に規則を制定し、豚肉(輸出豚肉含む)を新たに報告義務の対象に追加することが決定された。
 また、牛乳乳製品も1946年農業マーケティング法の中で報告義務の対象とされているが、2010年価格報告義務法案により、対象となる乳製品及び報告頻度は変わらないものの、電子報告システムを法廷制定後一年以内に整備することが決定された。
 

全国肉豚生産者協議会(NPPC)は今回の改正を支持

 今回の法案成立について、豚肉生産者により構成されている全国肉豚生産者協議会(NPPC)は、「豚肉を新たに報告義務対象に追加したことによって、市場の状況をより正確に反映した価格形成が可能になる」と歓迎の意向を示している。
 これに対して、主に乳業メーカーより構成されている国際乳食品協会(IDFA)は、「今回の延長は乳業界の効率性及び透明性を高めることにつながる」と法案成立に支持を表明するものの、「報告頻度を現行(1回/週)から増やすべきとの一部生産者団体の要請については、最低取引乳価を毎月定めている現行制度を踏まえれば、支持できない」と、乳業メーカーの今後の負担増につながる要請に対して牽制するコメントを出している。
 
【上田 泰史 平成22年9月29日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:岡田 岬)
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