米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が10月25日に公表した食品の消費者物価動向見通しの月次報告によると、2010年における米国の食品全体の消費者物価指数は、前月の予測を据え置き、前年を0.5〜1.5%上回るとしている。この上昇率は、1993年以降の最も低いものとなっている。畜産物の家計消費指数のうち、需給に改善の兆しがみられる牛肉は、前月の予測値の2.0〜3.0%から2.5〜3.5%に、豚肉は前月の3.5〜4.5%から4.5〜5.5%にいずれも上方修正している。既に価格の回復がみられる鶏肉は、前月の予測を据え置き、0.0%〜1.0%とほぼ前年並みとし、2009年に▲6.4%と大きく落ちこんだ牛乳乳製品は、前月の予測を据え置き、2010年には1.5〜2.5%上昇すると見込まれている。
また、2011年の消費者物価指数は、食品全体では前月の予測値を据え置いて2.0〜3.0%上昇し、前年および前々年の数値を上回るとされている。家計消費指数のうち2010年に大きく上昇した牛肉および豚肉は、2011年においてもそれぞれ2.5〜3.5%、3.0〜4.0%と堅調に伸びるとみられる。鶏肉については、2010年は前年並みで推移し、2011年には2.0〜3.0%と上昇が予測され、前月の予測から上方修正されている。また、2011年の牛乳乳製品については、前月の3.5〜4.5%から4.5〜5.5%に上方修正している。
2011年の消費者物価は、景気の回復などによる需要の増大や、飼料穀物およびエネルギーの価格上昇などにより、2010年を上回る数値が見込まれている。また、シカゴ相場のトウモロコシの先物価格は、ここ最近強含みで推移しており、食品価格への影響が注目されている。