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米国農務省、トウモロコシ、大豆ともに生産予測量をわずかに下方修正

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 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が11月9日に公表した11月の世界農産物需給推計の月次報告によると、米国における2010/11穀物年度(2010年9月〜2011年8月。以下、「2010/11年度」)のトウモロコシおよび大豆の生産量は、11月1日現在の全国作況調査を反映して、前月の予測値からそれぞれ1.0%下方修正された。

トウモロコシ生産量、3カ月連続で下方修正

 トウモロコシの生産予測量は、前月の予測(126億6400万ブッシェル)から1億2400万ブッシェル引き下げられ、125億4000万ブッシェル(前年度比4.3%減)とされている。これは、1エーカー当たりの収量が1.5ブッシェル引き下げられ、154.3ブッシェルとされたことによる。なお、作況調査では、ミズーリ州、サウスダコタ州、ネブラスカ州、アイオワ州、イリノイ州などコーンベルト諸州において前月に続き単収が引き下げられた。
 また、国内消費量については、エタノール向けが1億ブッシェル上方修正、飼料等向けは価格の上昇などから1億ブッシェル下方修正された。一方、輸出量は価格の上昇などにより前月から5千万ブッシェル引き下げられて19億5千万ブッシェル(同1.9%減)と予測されている。
 これらの結果、2010/11年度期末在庫は前月より下方修正され、前年度を51.6%下回る8億2700万ブッシェルになると予測されている。これにより、2010/11年度のトウモロコシの平均生産者販売価格は前月予測値より下値、上値ともに1ブッシェル当たり0.20ドル上昇して、4.80〜5.60ドルになると予測されている。しかしながら、今回のUSDAの下方修正は、市場関係者の予想を下回るものであったため、9日のシカゴのトウモロコシの先物価格は値を下げた。

大豆は、生産減と輸出増により在庫を下方修正

 大豆の需給見通しについては、1エーカー当たりの収量が、前月の予測を0.5ブッシェル下回り、過去最高となった昨年の記録を0.1ブッシェル下回る43.9ブッシェルと予測された一方、作付および収穫面積は据え置きとなった。この結果、生産量は、33億7500万ブッシェル(前年度比1.0%増)と前月の予測(34億800万ブッシェル)から3300万ブッシェル引き下げられたものの、引き続き過去最高の予測となっている。
 また、国内消費量については、搾油向けは据え置かれたものの、種子等向けが300万ブッシェル下方修正されたため、前月値から300万ブッシェル下方修正された。輸出向けは中国をはじめ海外の強い需要から5000万ブッシェル上方修正され、総消費量は4600万ブッシェル上方修正されている。これらの結果、2010/11年度の期末在庫は、1億8500万ブッシェル(同22.5%増)前月の予測から8000万ブッシェル下方修正され、 これにより、2010/11年度の大豆の平均生産者販売価格は、前月の予測より下値、上値ともに1ブッシェル当たり0.70ドル上昇して10.70〜12.20ドルになると予測されている。なお、今回のUSDAの下方修正は、トウモロコシとは逆に市場関係者の予想を上回るものであったため、9日のシカゴの大豆の先物価格は値を上げた。
主要飼料穀物
【中野 貴史  平成22年11月9日発】
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