国際経済危機の影響による乳製品の需要減退を受け、2009年の国際乳製品価格は前半に下落したものの、後半は上昇に転じた。これは、石油産出国や中国の需要が増えた一方、主要生産国において、収益性が2008年以来低迷している上、特に南半球では、気象条件に恵まれなかったこともあり、供給量が減少したことなどが背景にある。国際市況は、2010年に入っても、前半は好調であり、特にオセアニア産乳製品の平均価格(FOBベース)は、バターおよびチーズで4,000米ドル(33万円:1米ドル=82円)、脱脂粉乳で3,000米ドル(25万円)に達している。これは、同地域における生乳生産量が予想以上に少なかったこと、世界経済が緩やかに回復したことなどが影響している。特に、中国における粉乳需要の強さが、世界の乳製品市場をけん引した。