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酪農経営における生産性の改善が継続(豪州)

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1991/92年度からほぼ隔年に酪農経営における実態調査を実施

 豪州農業資源経済局・農学局(ABARE-BRS)は11月17日、2008/09年度における酪農家の技術導入および経営方法に関する実態調査を公表した。
 同調査は、1991/92年度からほぼ隔年に実施され、調査内容は、搾乳施設における乳牛管理、補助飼料の導入、放牧管理、肥料管理などにわたる。9回目となる今回の調査では、効率的な搾乳施設の整備が進むとともに、経営面でも効率的な飼料生産・貯蔵、飼養管理および適切な肥料利用などが進展し、以下のとおり、生産性の改善が継続していることが明らかになった。
 

乳牛生産性、労働生産性が大幅に向上

 酪農家1戸当たりの平均搾乳牛頭数は、1991/92年度から2008/09年度の間に124頭から220頭と77%増加した。また、搾乳牛1頭当たりの乳量は、3,811リットルから5,681リットルと49%増加し、乳牛生産性が向上した。一方、搾乳牛1頭当たりの、搾乳に要する時間は129分から143分、酪農従事者数は1.6人から1.7人といずれも増加したものの、乳量の増加率に比べ低く、労働生産性も向上していることが伺える。

搾乳施設ではロータリー型が増加

 この間、搾乳施設の管理割合については、ヘリンボーン型やウォークスルー型が全体で97%から87%に減少したものの、依然として大部分を占める中、より搾乳性が高いロータリー型が3%から13%に増加していることが注目される。また、貯乳施設の大容量化が進んでおり、7500リットル以上の貯乳タンクを所有する酪農家の割合は、1%から38%に増加する一方、2500リットル以下の酪農家は82%から16%に減少した。

濃厚飼料や穀物など補助飼料への依存度が高まる

 放牧管理については、49%の酪農家が電気柵を用いたローテーション放牧を行っている。また、酪農家の牧草地の70%が永年牧草、残る30%が単年牧草あるいは単年牧草と永年牧草の混播である。
 飼養管理について、搾乳牛に濃厚飼料や穀物を補助飼料として給与する酪農家の割合は、80%から98%に増加している。また、搾乳牛1頭当たりの濃厚飼料、穀物および副産物飼料の給与量も、0.8トンから1.8トンと約2.3倍となっており、牧草以外の濃厚飼料や穀物などへの依存度が高まっている。
 また、肥料管理について、57%の酪農家が土壌の試験・分析を実施している。このうち80%の酪農家がその試験・分析結果を踏まえて肥料の種類の変更や、施肥量の調整を行っている。
 
【玉井 明雄 平成22年11月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:岡田 岬)
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