昨年末からのQLD州の洪水被害は、中東部から南東部へ広がり、今週半ばには、州都ブリスベンへと拡大した。同州は、最大の肉牛生産地であり、豪州全体の牛飼養頭数の半数近くが飼育されている。肉牛部門への影響についてMLAは今回の報告書の中で、全容を把握するには、数週間を要するが、食肉処理加工業の中心である同州南東部における道路、鉄道、橋など物流網への被害は甚大であり、肉牛や牛肉の移動に支障を来しているとしている。しかし、同州の食肉パッカーの多くは、雨季に当たる1月は、肉牛の調達に支障が出ることから、メンテナンスを行うため施設を閉鎖している。このため、今回の洪水による被害は、多少は緩和されるとしている。
QLD州の大手食肉パッカーの多くは、来週から操業を開始する予定であるが、供給次第では、操業に影響が出るものとみられる。
なお、今回の洪水による家畜の消失については今後、より明らかにされるが、MLAは、生産者が事前に洪水を知ったことから、被害は最小限にとどめたとしている。