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南米の農畜産業をめぐる現地情報(2011年1月上期)
アルゼンチン
○ 生体牛価格が約1年半ぶりに下落
生体牛取引価格の指標となるリニエールス市場における2010年12月の価格(全頭数の平均価格)は、牛肉価格の上昇による消費の減少から、前月比5.1%安の1キログラム当たり7.29ペソ(約153円、 1ペソ≒21円)と2009年5月以来の下落となった。また、2010年の平均価格は、前年に比べ倍以上の同5.77ペソ(約121円)となった。なお、1月第1週の価格は、同7.28ペソ(約153円)となっている。
○ 2010/11年度の大豆生産量は前年度比15%減の可能性
ブエノスアイレス穀物市場によると、ラ・ニ−ニャ現象の影響による降雨不足から、2010/11年度の大豆生産量は、前年度比15%減の約4700万トンの見込みである。
ブラジル
○ 農牧食料供給大臣、任期期間の目標の1つとして食肉の新市場開拓を言明
ジルマ・ルセフ新大統領就任後も、農牧食料供給大臣に留任したワギネル・ロッシ大臣は、任期期間(4年)の目標の1つとして、食肉の輸出拡大に向けた新たな市場の開拓を挙げた。特に、世界の主要豚肉消費国である中国、日本、韓国の市場を開拓したいとし、現在、省内に設置した担当チームが鋭意、努力中であると語った。
○ 2010年の豚肉輸出、数量は減少も金額は増加
ブラジル豚肉生産輸出産業協会(ABIPECS)によると、2010年の豚肉輸出は、国内消費の増加やレアル高による輸出競争力の低下から、数量では前年比11%減の約54万トンとなった。一方、金額では輸出単価の上昇から、同9.3%増の13億4000万ドル(約1099億円、1ドル≒82円)となった。なお、ABIPECSは2011年の輸出については、前年比11.1%増の約60万トンと見込んでいる。
○ 2010年の農畜産物輸出金額が過去最高を記録
ロッシ農牧食料供給大臣によると、2010年の農畜産物輸出金額は、レアル高の影響が懸念されたにもかかわらず、前年比18%増の764億ドル(約6兆2648億円)と過去最高となった。品目別シェアでは、大豆および大豆製品が22%と、前年に引き続き最大となり、次いで砂糖およびアルコールが17.8%となった。なお、2011年の輸出については、前年比11.2%増の850億ドル(約6兆9700億円)と見込んでいる。
チリ
○ 2011年の豚肉輸出は、金額で前年比3%増の見込み
チリ養豚生産者協会(ASPROCER)のオバジェ会長によると、2011年の豚肉輸出は、国際市場の見通しが明るいことから、前年比3%増の3億6500万ドル(約299億3000万円)となるとしている。また、国内消費量についても、前年比5%増の1人当たり20.2キログラムを見込んでいる。
【石井 清栄 平成23年1月17日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:岡)
Tel:03−35083−8609
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