米国農務省、2010年産トウモロコシの期末在庫見通しを下方修正
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が2月9日に公表した2月の世界農産物需給推計の月次報告によると、米国における2010/11穀物年度(2010年9月〜2011年8月。以下、「2010/11年度」)の大豆の数値については、すべて前月の予測値が据え置かれたが、トウモロコシについては需要量が0.5%上方修正された。
トウモロコシの推定需要量はエタノール向けと食品等向けをわずかに上方修正
トウモロコシの需要予測量は前月から7000万ブッシェル引き上げられ、135億ブッシェル(前年度比3.3%増)とされている。これは、エタノール向けが5000万ブッシェル、甘味料需要増などにより食品加工用向けが2000万ブッシェル上方修正されたことによる。
生産予測量は更新されなかったため、2010/11年度末の在庫予測量は6億7500万ブッシェルに下方修正された。これにより、在庫率(期末在庫/総消費量)は5.0%と、1995/96年度以来の低水準となる。USDAは、2010/11年度の平均農家販売価格は、前月の予測価格の下値1ブッシェル当たり0.15ドル、上値同0.05ドルとも上げて同5.05〜5.75ドルになると予測している。今回のUSDAの在庫予測は、市場関係者の予想を上回る減少幅であったため、この公表直後にシカゴのトウモロコシの先物価格は0.20ドル近く値を上げた。
大豆の需給予測は前月の数値を据え置く
一方、2010/11穀物年度の米国の大豆の需給予測については、前月の値をすべて据え置いた。このUSDAの在庫予測は、市場関係者の予想をわずかに下回ることとなったため、公表直後のシカゴの大豆の先物価格はやや強含みで推移した。
【中野 貴史 平成23年2月9日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部調査課 (担当:藤井)
Tel:03-3583-9532