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南米の農畜産業をめぐる現地情報(2011年2月下期)
アルゼンチン
○ 価格高騰で牛肉消費量が14%減少
アルゼンチン牛肉・牛肉副産物産業および取引会議所(CICCRA)によると、飼養頭数および畜頭数の減少により、2010年牛肉生産量は前年比22.6%減(261万トン)となった。その結果、小売価格が高騰、同年の1人当たり牛肉消費量は前年比14%減(58.8キログラム)となった。
○ ドミンゲス農相、外国人土地所有に反対を表明
ドミンゲス農相は、主要な戦略的資源である土地は自国民が所有すべきであり、これは政治家が挑戦しなければならない問題である、と外国人の農地取得に対して反対する意志を表明した。
○ 降雨の影響の見方により、大豆、トウモロコシの生産見通しに多少の相違
2010/11年度(大豆:4月〜3月、トウモロコシ:3月〜2月)の生産見通しについて、アルゼンチン農務省は、大豆5000万トン、トウモロコシ2080万トンと見込んでいる。一方、ブエノスアイレス穀物市場は、主産地に雨不足の影響が改善されていない地域があるとして、大豆4880万トン、トウモロコシ1950万トンと、農務省の予測を下回る見方を示している。
ブラジル
○ BRF、外国市場を重視
主要食肉パッカーであるブラジルフーズ社(BRF)は、売り上げの48%を占める海外市場のさらなる拡大戦略において、米国市場を重要視している。昨年、サンタカタリーナ産豚肉の輸出が解禁されたことから、同社は、3月19、20日に予定されるオバマ大統領の訪伯を機に、輸出交渉が進展するのではと期待を寄せている。
○ 2011年の農業粗生産額は中西部が34.5%増の見込み
ブラジル農務省によると、主要農産物(20品目)の農業粗生産額が2011年に最も拡大するのは、大豆や綿花の生産が盛んなマットグロッソ州を含む中西部で、487億レアル(約2兆4009億円、1レアル≒49.3円)(前年比34.5%増)に達する見込みである。北東部でも14.9%の拡大が見込まれる。
○ ブラジルはNESTLEグループの第3位の市場
NESTLEグループによると、2010年のブラジルにおける同グループの売上高は72億ドル(約6012億円)(前年比21%増)と、米国、フランスに次いで第3位を記録した。グループ全体の売上高は1029億ドル(8兆5922億円)(同6.2%増)であった。売り上げの高い伸びを誇る同国は、来年にはフランスを抜き、第2の市場となる可能性がある。
○ 大豆生産量は過去最大となる見込み
現地農業コンサルタント会社は、懸念されたラ・ニーニャ現象の影響が少なかったことを確認し、2010/11年度(10月〜9月)の単収は1ヘクタール当たり2973キログラム、生産量は過去最大の7200万トンに達すると予測している。また、同コンサルタントは、主要生産地マットグロッソ州での干ばつが昨年12月末から1月の降雨により緩和されたことで、単収がさらに高まる可能性があると見ている。
【石井 清栄 平成23年3月2日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:岡)
Tel:03-3583-8609
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