フィリピンの2010年の農業生産額は5.3%増加
フィリピン農務省農業統計局(BAS)が公表した、2010年(1〜12月)の農業生産状況によると、農業部門全体における生産額(現行価格)は、前年比5.3%増の1兆2512億ペソ(2兆5024億円:1ペソ=2.0円)となった。
耕種、家畜、家きん部門すべてで増加
部門別でみると、農業生産額の半分を占める耕種部門は同5.6%増の6668億ペソ(1兆3336億円)、約3割を占める水産部門が同2.6%増の2213億ペソ(4426億円)と増加した。
主要作物であるコメとトウモロコシについて、2010年第2四半期(4-6月)に特に顕著であったエルニーニョ現象による干ばつおよび高温の影響による不作を受け、生産額が減少したが、価格が好調であったココナッツ、サトウキビ、バナナが生産額を押し上げた。
畜産関係については、家畜部門(牛肉、水牛肉、豚肉、ヤギ肉、生乳)が同7.4%増の2110億ペソ(4220億円)となり、家きん部門(鶏肉、アヒル肉、鶏卵、アヒル卵)も同4.8%増の1521億ペソ(3042億円)と増加した。
畜産関係の生産額の伸びは、生産量の増加および価格の上昇によるものである。特に主要畜産物である豚肉が同7.0%増の1725億ペソ(3450億円)、鶏肉が同4.4%増の1130億ペソ(2260億円)と好調であった。 鶏卵や牛肉、水牛肉も好調であった。
豚肉と鶏肉の生産および価格状況
豚肉については旺盛な需要に加えて5月の選挙による特需もあり、生産量は引き続き増加傾向にある。
鶏肉の生産量も増加した。これは旺盛な需要を反映して、大規模企業経営の規模拡大が相次ぎ、ひなの供給も増加したことによる。 また、新設された大規模食鳥処理場も稼働を開始した。
国内価格は需要の増加もあり堅調に推移した。生産者販売平均価格は、豚肉が同5.8%高のキログラム当たり90.90ペソ(182円)となったほか、鶏肉が同0.4%高のキログラム当たり83.49ペソ(167円)となった。
【(代理)平石康久 平成23年3月24日発】
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