FAO:食料価格指数が9カ月ぶりに減少
最終更新日:2011年4月8日
国連食糧農業機関(FAO)が4月7日に発表した3月の食料価格指数(注)は、前月から7ポイント、3.0%減少の229.8ポイントと9カ月ぶりに減少に転じた(図1)。
食料価格指数は、2010年7月以降8カ月連続して上昇し、2月には2カ月連続で過去最高値を記録するなど、食料価格の高騰が開発途上国などでの食料供給不安による社会の混乱やインフレに影響を及ぼすのではと懸念されていた。このため、今回の下落は朗報ではあるが、依然として前年同月を36.5%上回る水準にあり、食料価格指数の上昇トレンドの終えんを示唆するかどうかは予断を許さない状況にある。
3月の食料価格指数を品目別に見ると、砂糖の下落が著しく、前月から45.9ポイントと1割以上下げ、次いで油糧種子の19.4ポイント、穀物の6.7ポイントと続き全体の食料価格指数を押し下げた。一方、乳製品は4.4ポイント上昇し、食肉も0.7ポイントと微増している(図2、3)。
砂糖は、供給量の見通しがインドをはじめ大きく上方修正されたことを反映して大きく値を下げている。油糧種子は、パーム油の供給量の増加見通しから19.4ポイント下げ、穀物は、コメの輸出国における供給量が増加する一方、輸入国の輸入需要が減退したため6.7ポイント下げている。
乳製品は、南半球の供給国が予想より少ない生産見通しとなったことから上昇し、これまで上昇基調にあった食肉は、北アフリカや日本の混乱から横ばいとなっている。
なお、4月の統計数値は、5月5日公表予定としている。
注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、小麦、トウモロコシ、コメ、油糧種子、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
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