2010年度の農業生産の見通し公表(インド)
インド農業省農業協同局は先ごろ、2010年度(4〜3月)の農業生産の見通しを公表した。順調なモンスーン(雨期)の降雨を反映して、作付および生産量の増加が見込まれている。
農業部門のGDPは前年度比5.4%増
2010年度の農業部門のGDP(名目)は前年度より約80億米ドル増加(前年度比5.4%増)し、1,553億ドルとなった。一方、GDPに占める割合は、14.2%と前年度から0.4ポイント低下した。これは、経済の構造変化によるものであり、他産業の成長率が農業を上回ったためである。
主要作物の生産は回復基調
(1)雨期における主要作物の作付状況
2009年度は降雨不足により、生産量が大幅に減少したが、2010年度は、2010年6〜9月期の南西モンスーン時期に十分な降雨量に恵まれたため、7割近くの地域において、農業に必要な水を確保することができた。コメ、ピーナッツ、豆類、サトウキビなどは、前年度より作付面積が大幅に増加した。
(2)2009年度までの主要作物の生産量の推移
2009年度の穀物の生産量は、雨期分(概ね4〜9月)の104百万トンと乾期分(概ね10〜3月)の114百万トンを合わせ、218百万トンと見込まれている。このうち、穀類注)が204百万トンと大部分を占め、さらにそのうち、コメ81百万トン、小麦89百万トンとなっている。
注)穀類とは、穀物から豆類を除いたものをいう。
(3)2010年度の生産見通し
雨期においては、降雨が順調であったことから軒並み前年度比10%以上生産量が増加したものとみられている。
雨期におけるモンスーン時期に、十分な降雨量があったため、土壌中にも作付けに適切な水分が含まれており、さらに貯水池にも水が十分確保できているため、乾期においても、生産量の増大が見込まれている。
【木下 瞬 平成23年4月18日発】
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