トウモロコシ価格の世界的な高騰の一因として、中国の大規模な輸入が挙げられる。米国農務省(USDA)によれば、中国のトウモロコシ輸入量は、2009年47千トン、2010年1296千トン、2011年1500千トン(予測)となっており、近年、中国は輸出国にとって最も注目される国際市場の一つである。
現在、アルゼンチンは生産量の約85%が遺伝子組み換えトウモロコシであるため、遺伝子組み換えトウモロコシの使用を認めていない中国へは輸出していない。このような中、4月5日付けのブエノスアイレスの地元有力新聞ラ・ナシオンでは、中国からの代表団が3月末にアルゼンチンを訪問し、トウモロコシの生産状況について確認したことが報じられた。この中で、アルゼンチン農牧漁業省(MINAGRI)次官のコメントとして、中国のトウモロコシ備蓄は不足していることから、早ければ本年7月頃にもアルゼンチンから中国へトウモロコシの輸出の可能性が示唆された。
アルゼンチンと中国は昨年11月30日、農畜産物の貿易協定に合意し、2011年にはトウモロコシの貿易に関する衛生条件を定めることとしている。
今後、トウモロコシの国際需給がひっ迫する中、中国が遺伝子組み換えトウモロコシの使用を認めるなど両国の動き次第では、国際価格にも大きな影響を与えそうだ。
参考:中国と農畜産物貿易に係る関係を強化(アルゼンチン)(2010年12月24日)