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2011年4月時点における韓国豚肉需給の現状と見通し

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 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが4月25日に公表した2011年5月号の畜産観測(豚編)および韓国貿易統計に基づき、韓国の豚肉需給の現状と見通しを報告する。

飼養頭数

口蹄疫による殺処分の影響により豚の飼養頭数は大きく減少している。

2011年3月の飼養頭数は703万6千頭(うち母豚は73万2千頭)で、前期より28.8%、前年同月より28.0%減少している。
 

表1 豚飼養頭数の推移

 

前年12月

3月

6月

9月

2011年(A)千頭

9,881

7,036

6,500-6,600

6,800-6,900

2010年(B)千頭

9,585

9,768

9,728

9,901

A/B (%)

103%

72%

67%-68%

69%-70%

 資料:韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センター
注:2011年6月および9月は農業観測センターの予測値

と畜頭数

 2011年4月は移動制限がいったん解除されたにもかかわらず、前月並みの94万頭(前年比24%減)にとどまった。
 5~10月のと畜頭数は前年同期比27%減少の見込み。

表2 豚と畜頭数 (単位:万頭)

 

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2009年

113

112

119

115

103

113

114

111

125

115

124

129

2010年

120

114

133

123

117

117

115

118

113

129

137

127

2011年

98

79

95

94

84

84

83

84

91

94

 

 

平年

117

108

117

116

111

108

109

112

114

124

128

124

2011/10

82%

69%

71%

76%

72%

72%

72%

71%

81%

73%

 

 


資料:国立獣医科学検疫院、農業観測センター
注1:2011年4月以降(斜体)は農業観測センターによる予測値
 2:平年値は2006-2010年の5年間の最低、最高値を除いた平均値

豚肉輸入量

 無税の輸入枠の設定の影響により2011年1〜3月の豚肉全体(HSコード:0203)の輸入数量は102,205トンと、前年同期を40%上回った。
 うち冷蔵豚肉(HSコード:020319)は4,377トン(同64%増)で主として米国およびカナダから、冷凍豚肉バラ肉(HSコード:0203291000)は22,716トン(同8%増)で主としてチリおよびEU各国(オランダ、オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツなど)から、加工原料用冷凍豚肉(HSコード:0203299000)の輸入数量は75,112トン(同53%増)で主として米国およびカナダから輸入されている。
 冷蔵および冷凍豚肉バラ肉の無税の輸入枠の追加設定により、同カテゴリーの輸入量が増加するものとみられるため、5〜10月の豚肉全体の輸入量は前年同期より113〜124%増加することが予想される。
図1 豚肉輸入量の推移

価格の推移

 4月(22日まで)の枝肉価格は1キログラム当たり5,693ウォン(4月末TTSレート100ウォン=7.87円で448円)で前年同月より31.6%高い水準であった。5月以降8月まではおよそ6100ウォン〜6500ウォン(480円〜512円)程度の推移が予想されているが、9月以降下落傾向になるとみられる。
 ただし、冷蔵豚肉が輸入された場合、予想価格より300ウォン(24円)程度低い水準で推移するとみられている。

日本の原発事故が韓国の食肉消費に与えた影響

 農業観測センターが消費者650人に行った調査によると、日本の低濃度放射性物質を含む汚染水の流出により、水産物の消費を減らし、食肉の消費を増加させた回答者は22.7%であり、その中の33.3%が韓国産豚肉で消費を代替した。
 代替需要による消費量の増加率は25.4%で、韓国全体では約2%の韓国産豚肉の需要拡大効果があると分析されている。
図2 日本の原発事故が食肉消費に与えた影響
【平石康久 平成23年5月6日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9534