乳業管理委員会は5月19日、脱脂粉乳の介入買入在庫放出の入札を行った。応札数量は4,682トン、応札価格は100キログラム当たり211〜230ユーロ(約24,476〜26,680円)であった。今回は、域内の脱脂粉乳価格が同237ユーロ(約27,492円。1ユーロ=116円)と前回よりやや上昇する中で行われた入札であったものの、域内価格を下回る水準での放出は市場に悪影響を及ぼすとの判断から、放出は見送られたもようである。
これにより、脱脂粉乳の介入買入在庫は4回連続して放出されないこととなったため、約5万2千トンという在庫量は変動していない。欧州委員会としては、脱脂粉乳卸売価格が依然として介入価格の4割高という高水準で推移しているため、さらなる価格上昇を抑制するため、一定水準の介入在庫を保有し続けたいとのではと推察される。(注)
欧州の生乳生産量は、春季にピークを迎え、夏場から徐々に減少する傾向にある。このため、現地関係者の間では、乳製品の卸売価格が再上昇する可能性も指摘され、介入買入在庫の取扱いについても注目が集まっている。
なお、4月まで毎月2回(第1・3木曜日)開催されていた同委員会については、5月以降毎月1回(第3木曜日)の開催へと変更されている。
(注)既に放出が決定している生活困窮者向け在庫分(約9万4千トン)は、6月〜9月に放出される見込みとなっている。