2011年第1四半期のトウモロコシ輸出は減少(アルゼンチン)
数量で30%以上、金額で10%以上減
アルゼンチン農牧漁業省(MINAGRI)によると、同国の2010/11年度のトウモロコシ生産量は、豊作であった2009/10年度の約2250万トンよりは下回るものの、約2090万トンと2007/08年度並みの水準が見込まれている。
このような中、同国の2011年第1四半期(1〜3月)のトウモロコシ輸出は、主要輸出先であるコロンビアやマレーシア向けなどが減少したことから、数量で前年同期比35.3%減の約232万1000トン、金額で同11.5%減の約5億5000万ドル(約451億円、1ドル≒82円)とあることが、アルゼンチン国家動植物衛生機構(SENASA)の調べでわかった。また、日本向けについても、数量で前年同期比68.1%減の約2万3000トン、金額で同49.8%減の約652万ドル(約5億3000万円)と大幅に減少した。
この背景には、(1)2011年1〜2月上旬にかけて穀物の主要集荷港であるロサリオ港で港湾ストライキが行われたこと、(2)2月末に穀物の輸出を管理していた国家農牧取引監督機構(ONCCA)の解体・組織再編が行われたこと―などがあると見られる。
トウモロコシの国際価格は、需給がひっ迫傾向の中で、依然として高値圏にある。しかし、2011年3月の生産者価格は輸出減を反映し、前月に比べて4.1%安の1トン当たり740.06ペソ(約8万8000円、1ペソ≒20円)となった。
MINAGRIは、累計で1100万トンの輸出を許可
一方、MINAGRIは5月12日、2010/11年度におけるトウモロコシ250万トンの輸出を解禁することを発表した。同年度において政府は、11月に500万トン、2月に350万トンを許可しており、今回の解禁により、合計1100万トンとなった。現在、トウモロコシの国際需給はひっ迫傾向にある中、今後のアルゼンチンのトウモロコシの輸出動向が注目される。
【石井 清栄 平成23年5月23日発】
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