豪州食肉パッカーのティーズ社とカーギル社は5月11日、出資比率がそれぞれ50%の合弁会社を立ち上げることで合意したとの共同声明を発表した。役員にはティーズ社とカーギル社から同数で出し、会長にはアラン・ティーズ氏、CEOにはブラッド・ティーズ氏が就任する。本社はティーズ社の本拠地であるクイーンズランド(QLD)州南部のビーンリーに置く。
ティーズ社は1946年に設立された豪州第2位の食肉パッカーで、豪州企業としては最大である。QLD州および南オーストラリア(SA)州に数カ所の食肉処理場、QLD州ダーリングダウン地域にフィードロットを所有する。
一方、カーギル・オーストラリア社の牛肉部門は1991年に設立され、ニューサウスウェールズ(NSW)州ウォガウォガおよびタムワースに食肉処理場、同州ストッキンビンガルにフィードロットを所有する。
この合併により、2社はほぼ重複することなくQLD州北部からSA州まで守備範囲を広げることになり、年間150万頭の処理が可能となる。
ブラッド・ティーズ氏は、この合併によって、豪州産牛肉をより多くの市場に送り出し、顧客に最上級のサービスを届けるというグローバルな市場戦略が強化されるだろうと述べている。
肉牛の生産者団体である豪州肉牛協議会(CCA)は、市場における競争の減少が牛肉生産者に不利益をもたらすような動きには反対の立場をとるとした上で、この合併に対しては現段階で反対する理由はない、としている。