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2011年5月時点における韓国牛肉需給の現状と見通し

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 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが5月25日に公表した2011年6月号の畜産観測(肉用牛編)および韓国貿易統計に基づき、韓国の牛肉需給の現状と見通しを報告する。

飼養頭数

 口蹄疫による殺処分(処分頭数11万4千頭)にも関わらず、3月1日の肉用牛の飼育頭数は前年比6%増の288万頭。
 6月と9月の肉用牛飼育頭数は前年より各々4%、3%増の301万頭、304万頭の見通し。
 口蹄疫の収束にめどの立った2011年3月の精液販売量も大幅に増加していることから2012年1月頃に生まれる子牛は大幅に増加する見込み。

と畜頭数

 口蹄疫の発生による移動制限が解除され、出荷遅延分が出回ることから、3〜5月のと畜頭数は前年同期比15%増の16万7千頭、6〜8月のと畜頭数は同22%増の19万2千頭の見通し。
 飼養頭数およびと畜頭数の増加傾向が続いていることから、今後、肉用牛の価格低下が懸念されている。

表1 肉用牛の生産関連データ(単位:千頭)

 

2010年9~11月

2010年12~2月

2011年3~5月

2011年6~8月

子牛生産頭数

155

194

350

226

対前年同期比

96%

99%

110%

107%

と畜頭数

194

178

167

192

対前年同期比

96%

90%

115%

122%

飼養頭数

2,915

2,868

3,013

3,043

対前年同期比

111%

106%

104%

103%


資料:統計庁、韓国農村経済研究院(KREI)農業観測
注:()内は前年同期の数字
 :6〜8月の数字は推計値
 :飼養頭数はそれぞれ12月1日、3月1日、6月1日、9月1日時点での数字

2011年1月~4月の牛肉輸入量

 2011年1〜4月の牛肉全体(HSコード0201および0202)の輸入量は98,278トン(前年同期比122%)と大幅に増加した。
 うち冷蔵牛肉は15,286トン(同19%増)で主として豪州(11,912トン)および米国(3,188トン)から輸入された。
 冷凍牛肉は82,992トン(同23%増)で主として豪州(36,288トン)、米国(33,077トン)、ニュージーランド(12,192トン)から輸入された。特に米国からの輸入が同50%増と大きく増加している。
 6~8月の輸入量は3月以降に輸入された牛肉が在庫として残っていることから、前年の輸入量7万9千トン並みの8万トンにとどまると予測されている。
図1 牛肉輸入量の推移

価格の推移

 牛肉1kgあたりの卸売価格(枝肉ベース)は、5月(23日まで)1++等級の競落価格は、16,125ウォン(1,245円。5月末TTSレート100ウォン=7.72円で計算)で前年比22.2%、1+等級は13,930ウォン(1,075円)で同24.6%下落した。1等級、2等級、3等級の価格はそれぞれ12,320ウォン(951円)、2等級9,525ウォン(735円)、3等級7,197ウォン(556円)であり、前年より下落した(25〜42%)。等級が下がるほど価格の下落幅が大きい傾向にある。
 6月~8月の1等級の卸売価格は11,000ウォン(849円)~13,000ウォン(1004円)と予想されている。今年はお盆が8月になるため(韓国のお盆は旧暦)、6月以降価格が上昇する時期にあたるが、昨年の16,080ウォン(1241円)に比較して価格は低落すると予想されている。
【平石 康久 平成23年6月7日発】
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