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2011年5月時点における韓国鶏肉需給の現状と見通し

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 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが5月25日に公表した2011年6月号の畜産観測(ブロイラー編)に基づき、韓国の鶏肉需給の現状と見通しを報告する。

飼養頭数:6月のブロイラー飼養羽数は前年を上回る見込み

 2011年5月素ひな生産羽数は、前年同月比6.7%増の6600万羽とみられる。6月のブロイラー飼養羽数は、素ひな生産羽数の増加により、前年同月比8.5%増の1億1037万羽と予想される。
表1 素ひなの生産状況

 

生産羽数(万羽)

前月比(%)

3月

4月

5月

4月/3月

5月/4月

2011年(A)

4,676

6,062

6,600

129.6

108.9

2010年(B)

5,038

5,679

6,182

112.7

108.9

A/B (%)

92.8

106.7

106.7

 

 

資料:大韓養鶏協会
  注:配合飼料生産量からの推計値

表2 ブロイラーの飼養羽数の見通し

 

飼養羽数(万羽)

前月比(%)

4月

5月

6月

5月/4

6月/5

2011年(A

7,776

9,422

11,037

121.2

117.1

2010年(B

7,973

8,496

10,169

106.6

119.7

A/B (%)

97.5

110.9

108.5

 

 

資料:農業観測センター、統計庁
  注:2011年6月は統計庁発表値

処理羽数

 2011年6月の処理羽数は、ブロイラー飼養羽数の増加により、前年同月比8.4%増の7987万羽と見込まれる。7月および8月については、素ひなの供給能力が11月まで高水準で推移することから、それぞれ前年同月比6.4%増の9156万羽、同4.1%増の6701万羽と予想される。
表3 処理羽数の推移                                  (単位:百万羽)

\月

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2009年

44

45

50

55

60

69

83

65

57

49

48

55

2010年

48

46

54

59

66

74

86

64

55

54

57

62

2011年

57

42

53

58

73

80

92

67

 

 

 

 

2011/10(%)

119

91

98

98

111

109

107

105

 

 

 

 

資料:農林水産食品部
  注:2011年3月以降は農業観測センターの推定値

鶏肉輸入量

 2011年1〜4月の鶏肉全体(HSコード:0207)の輸入量は、豚肉の代替需要により前年同期比28.6%増の3万5613トンとなった。5月以降については、国内価格が下落したものの、新たに無税の輸入枠が設定されたことから、6月は前年比12%増の1万2660トンと予想される。
1

冷凍鶏肉の在庫

 5月15日現在の冷凍在庫量は、前年比12%減の279万羽と、2010年の平均量(400万羽)に比べ低水準となった。

価格の推移

 5月(24日)の価格は、需要が増加したものの、供給量の増加により生体1キログラム当たり1,599ウォン(123円:100ウォン=7.7円(5月末TTSレート)と、前年より8.0%低い水準となった。
 6月については、処理羽数および輸入量の増加はあるものの、1,600〜1,800ウォン(123〜138円)とおおむね同水準で推移すると見込まれる。
 なお、7月は、三伏(参鶏湯(サムゲタン)を食べる韓国の土用の丑の日)のため、一時的な価格の上昇が予想される。

6月の鶏肉消費動向

 農業観測センターが消費者に対して行った調査によると、2011年6〜8月の期間に豚肉の代替需要により、2.3%の鶏肉の需要増加が見込まれている。
 また、日本の低濃度放射能物質を含む汚染水の流出により、水産物の消費が減少し、水産物の代替需要による3.1%の鶏肉の需要増加要因があると分析されている。
表4 6〜8月の豚肉および水産物の代替需要                              (単位:%)

 

韓国牛

韓国産豚肉

鶏肉

鴨肉

鶏卵

水産物

1.6

3.3

3.1

2.8

2.9

豚肉

0.8

-

2.3

2.3

1.9

2.4

3.3

5.4

5.1

4.8

資料:農業観測センター消費者意向調査(2011年5月17〜18日)
【藤井 麻衣子 平成23年6月8日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532