欧州委員会は6月28日、昨年10月にEUと韓国で署名されていた自由貿易協定(FTA)について、7月1日から暫定発効すると正式に表明した。EUにとって韓国は第8番目の貿易相手国であり、EUサイドでは農産物、韓国サイドでは自動車、電化製品などの輸出が活性化すると予想されている。
同FTAにおいて、鉱工業製品では、品目ベースでEU側は99.4%、韓国側は95.8%に相当する品目の関税を3年以内(即時含む)に撤廃する。農産物については、韓国の農業への影響が考慮され、コメ、唐辛子、にんにく、たまねぎなどがセンシティブ品目として、譲許除外、現行関税の維持、季節関税の導入などが措置された。
畜産物に係る韓国の輸入関税については、5〜15年と一定期間を設け段階的に関税を撤廃するほか、現行関税が維持されるものについては関税割当が導入された。豚肉については、韓国の豚肉輸入量の4割程度を占めるなど、韓国国内の生産に与える影響が大きいとして撤廃までに5〜10年の期間が設けられた。乳製品については、EU産乳製品の品質が高く、内外価格差も存在するため輸入が急増するおそれがあるとして、粉乳類に関税割当が導入されたほか、バター、チーズについても関税割当を設定した後に関税を撤廃するなど、急激な変化を緩和する配慮が伺い知れる。