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米国農務省、2011年のトウモロコシ作付面積予測を上方修正、シカゴ相場は急反落

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 米国農務省は6月30日、2011/12穀物年度(2011年9月〜2012年8月。以下、「年度」)におけるトウモロコシ作付面積の予測値を公表した。天候に恵まれたコーンベルト西部および周辺地域において作付が増加したことから、前月の予測値は上方修正された。この結果などを受けて、シカゴのトウモロコシ先物価格は急反落した。

トウモロコシの作付面積は1944年以降では過去2番目の高水準

 米国農務省は6月30日に公表した「Acreage」において、2011/12年度トウモロコシ作付面積の予測値について、前月の農業観測の予測値(6月9日公表)を約160万エーカー上回る9,228万エーカーに上方修正した。この予測値は昨年を約400万エーカー上回る、1994年以降においては過去2番目の高水準の作付面積となる。
 トウモロコシ作付面積の増加は好調なトウモロコシ価格を反映したものであり、州ごとに見ると、天候に恵まれたアイオワ州(前年度比6.0%増)、ネブラスカ州(同9.3%増)、ミネソタ州(同5.2%増)、サウス・ダコタ州(同14.3%増)などにおいて増加が見込まれている。
 他方、大豆の2011/12年度における作付面積は、競合するトウモロコシの作付が増加した州を中心に減少したことにより、前月の農業観測を約140万エーカー下回る7,521万エーカーに下方修正された。

2011年6月1日時点のトウモロコシ在庫は昨年同時期より15%減

 また、米国農務省が同日公表した穀物在庫統計によると、2011年6月1日時点のトウモロコシ在庫は、昨年を14.8%下回る36.7億ブッシェルとなった。2011年3月1日〜5月31日までの消費量は、トウモロコシ価格の高騰を受けて昨年同期と比べ5.3億ブッシェル減少したが、3月1日時点の在庫水準が低かったことから昨年を下回ることとなった。しかし、今回公表された在庫水準は市場関係者の予測を上回った。
 今後、昨年6月1日〜8月31日までと同等のペースでトウモロコシが消費されたと仮定すると、2010/11年度の期末在庫(2011年8月末)は10.7億ブッシェルとなり、前月の農業観測の7.3億ブッシェルを上回ることとなる。

トウモロコシ相場は急反落、8月に公表される作付面積の再調査結果に注目

 米国農務省は前回の農業観測において、トウモロコシ作付時期における多雨、洪水などの天候不順の影響を踏まえ、作付面積において下方修正を行っていた。市場関係者の多くもこれら天候不順の影響を織り込んでおり、米国農務省が今回の水準まで作付面積を上方修正するとは想定していなかったことから、今回の公表数値は市場関係者に驚きをもって迎えられた。6月30日のシカゴのトウモロコシ先物価格は急反落し、7月限は前日比69セント減の1ブッシェル当たり629セントで終了した。
 米国農務省は同日、ミネソタ州、ノース・ダコタ州、サウス・ダコタ州、モンタナ州の4州において、「Acreage 」調査時にトウモロコシ、大豆などの作付が終了していなかったことから、作付面積に係る再調査を7月に実施し、作付面積に変更があれば8月11日の「Crop Production」の中で報告すると発表した。再調査の対象となっている州のうち、ミネソタ州、ノース・ダコタ州およびサウス・ダコタ州は、今回のトウモロコシ作付面積の増加に寄与していることから、再調査の結果が注目されるところである。
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【上田 泰史 平成23年7月1日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4396