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2011年6月時点における韓国鶏肉需給の現状と見通し

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飼養羽数

 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが6月25日に公表した2011年7月号の畜産観測(ブロイラー編)に基づき、韓国の鶏肉需給の現状と見通しを報告する。
 2011年6月の素ひな生産羽数は、前年同月比5.3%増の7048万羽とみられ、素ひな供給量の増加により7月のブロイラー飼養羽数は12,276万羽(同8.2%増)まで増加すると見込まれる。
 また、6月のブロイラー出荷日齢は33.1日齢と前年同月並みでありながら、出荷体重は同4.2%増加の1.61キログラムとなるなど生産性の向上が図られている。

機構注:韓国のブロイラーは参鶏湯(サムゲタン)に代表される伝統的なスープ用途が多いため、小さい鶏を好む傾向がある。そのため、日本のものと比べ出荷体重は1キログラム以上軽い。
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処理羽数

 7月の飼養羽数が増加すると見込まれることから、処理羽数も前年同月比8.4%増の9326万羽と見込まれている。8〜9月の処理羽数も前年同月を上回ると見込まれ、供給過剰が懸念されることから、種鶏の適切な淘汰が急がれる。
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鶏肉輸入量

 2011年5月の冷凍鶏肉(HSコード:020714)の輸入量は、同月3日に無税輸入枠が設定されたため大幅に増加し、20,393トンと前年同月のほぼ3倍となった。無税枠は今年の12月末まで適用されるが、国内価格が低水準で推移していることや在庫が潤沢にあることから、6月の輸入量は前年同月に比べやや減少するとの見通しである。
 一方、5月の国別輸入量では米国が16,172トンと前月から3倍以上の伸びを示し、輸入量全体を押し上げている。次いでブラジル、デンマークとなっている。
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冷凍鶏肉の在庫

 供給過剰によりブロイラーの価格が下落したため、2011年6月12日現在の冷凍在庫量は前年比17.8.%増(前月比80.9%増)の464万羽となった。

価格の推移

 6月(24日まで)の価格は、生体1キログラム当たり1391ウォン(6月末TTSレート100ウォン=7.76円で108円)と、供給過剰の影響により大きく下落し前年同期より24.6%低い水準であった。
 7月は前年同月比7.0〜16.8%下落の1700~1900ウォン(132~147円)と前年より低い水準となる見通しである。これは、最大の消費時期である三伏(参鶏湯(サムゲタン)を食べる韓国の土用の丑の日)が到来する上、飼料価格の上昇や、豚肉代替需要の増加など、一定の国内価格の上昇要因が見込まれるものの、処理羽数の増加による供給過剰の影響が大きいことによる。
【木下 瞬 平成23年7月4日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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