米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が毎月公表している食品の消費者物価指数の見通しによると、7月25日時点において、2011年の米国食品全体の消費者物価指数は前年を3.0〜4.0%、食品全体のうち、外食は同3.0〜4.0%、家計消費は同3.5〜4.5%上回ると予測されている。なお、これら予測値はいずれも前月から据え置かれている。
家計消費については、全ての品目で前年を上回っている。畜産物のうち牛肉は前年比7.0〜8.0%の上昇、豚肉は同6.5〜7.5%の上昇、鶏肉は同2.5〜3.5%の上昇となっている。これらの上昇は、飼料費や燃料費など生産に係るコストの増加を反映したものと推測される。なお、鶏肉の上昇率は牛肉や豚肉と比べ小さいのは、出荷までの飼養期間が最も短い鶏肉が前年からの好調な価格を反映して生産を増やしてきたことから、需給がやや緩んでいることが理由として考えられる。なお、牛乳・乳製品については、堅調な国内需要を反映して、前月公表の数値を据え置き、同5.0〜6.0%の上昇となっている。
また、加工用の果実、野菜については、在庫の増加などから、6月までの実績値において上昇率が低下していることを踏まえ、前月に公表された前年比3.0〜4.0%の上昇から下方修正され、同1.5〜2.5%の上昇となった。
ERSは今回、今年初めて2012年の予測値を公表した。この中で、食品全体の消費者物価指数の上昇については、前年比2.5〜3.5%の上昇と、前年と比べると弱まるものの、過去20年の平均をわずかに上回るものと予測している。また、食品全体のうち、外食は同2.0〜3.0%、家計消費は同3.0〜4.0%上回ると予測されている。なお、この見込みは気候が正常であるということを前提としており、今後、干ばつなどの異常気象により農作物の生産量が減少した場合にあっては、この予測値は修正される。