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2011年7月時点における韓国鶏肉需給の現状と見通し

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 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが7月25日に公表した2011年8月号の畜産観測(ブロイラー編)に基づき、韓国の鶏肉需給の現状と見通しを報告する。

飼養羽数

 2011年7月の素ひな生産羽数は、前年同月比6.7%増の6667万羽と、依然として高水準とみられ、8月のブロイラー飼養頭数は、素ひな供給量の増加から同8.3%増の9338万羽と見込まれる。
 また、7月のブロイラー出荷日齢は、32.63日齢と前年同月よりわずかに早まったものの、出荷体重は同4.6%増加の1.52キログラムとなるなど生産性が向上したとみられる。


 機構注:韓国のブロイラーは参鶏湯(サムゲタン)に代表される伝統的なスープ用途が多いため、小さい鶏を好む傾向がある。そのため、日本のものと比べ出荷体重は1キログラム以上軽い。
表1 素ひなの生産状況

 

生産羽数(万羽)

前月比(%)

5月

6月

7月

6月/5

7月/6

2011年(A

6,779

7,085

6,667

104.5

94.1

2010年(B

6,182

6,691

6,248

108.2

93.4

A/B(%

109.7

105.9

106.7

  資料:大韓養鶏協会
   注:2011年7月は配合飼料生産量から推定している。

表2 ブロイラーの飼養羽数の見通し

 

飼養羽数(万羽)

前月比(%)

6月

7月

8月

7月/6月

8月/7月

2011年(A)

11,012

12,273

9,338

111.5

76.1

2010年(B)

10,169

11,349

8,626

111.6

76.0

A/B(%)

108.3

108.1

108.3

  資料:韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センター、統計庁
    注:2010年および2011年6月は統計庁発表値、その他は農業観測センター推定値

処理羽数

 8月の処理羽数は、飼養羽数が前年を上回って推移しているため、前年同月比8.5%増の6980万羽と見込まれる。今後も前年を上回って推移するとみられ、供給過剰が懸念されることから、適切な生産調整が急がれる状況である。
表3 処理羽数の推移 (単位:百万羽)

 年/月

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2009

44

45

50

55

60

69

83

65

57

49

48

55

2010

48

46

54

59

66

74

86

64

55

54

57

62

2011

57

42

53

59

73

81

93

70

 

 

 

 

2011/10(%)

118.8

91.3

98.1

100

110.6

109.5

108.1

108.5

       
 資料:農林水産食品部 
  注:2011年6月以降は農業観測センターの推定値

鶏肉輸入量

 2011年6月の鶏肉全体(HSコード:0207)の輸入量は、無税輸入枠の設定により大幅に拡大した前月から38.7%減となるものの、前年同月比では35.3%増の12,601トンとなった。
 このうち、輸入の大部分を占める冷凍鶏肉(同:020714)については、米国に次ぐ第2位の輸入元であるブラジルが同25.5%減の2,182トンとなった一方、米国は同57.5%増の9,286トン、デンマークはほぼ2倍である719トンとなり、合計では前年を35.2%上回る12,256トンとなった。
 今後の輸入については、国内在庫量の増加や国内価格の下落により減少傾向で推移し、8月は同26.4%減の8,980トンと見込まれる。
1

冷凍鶏肉の在庫

 国内供給量の増加によりブロイラーの価格が下落傾向で推移しており、2011年7月10日現在の冷凍在庫量は、前年比63.4%増(前月比49.4%増)の658万羽となった。

価格の推移

 7月(22日まで)の価格は、豚肉からの代替需要など国内需要量が増加したものの、それを上回って供給量が増加したため、前年同期比13.0%安の生体1キログラム当たり1,864ウォン(141円:100ウォン=7.6円(7月末TTSレート))となった。
 8月については、輸入量の減少、飼料価格の上昇および需要の増加など上昇要因はあるものの、処理羽数の増加による供給量の増加により前年同月比4.7〜15.9%安の同1,500〜1,700ウォン(114〜129円)と見込まれる。
【藤井 麻衣子 平成23年8月4日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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