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2010/11年度トウモロコシ生産量は2007/08年度に次ぐ高水準の見込み(ブラジル)

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 ブラジル食糧供給公社(CONAB)は8月9日、2010/11年度(10月〜9月)第11回主要穀物生産状況調査を公表した。これによると、2010/11年度の生産量は、前年度比0.6%増の5633万7400トンと、近年では2007/08年度に次ぐ高水準が見込まれる。
 このうち、ほぼ収穫の終了した第1期作は同5.1%増の3582万9000トンである一方、第2期作(裏作)は、前回予測(7月)の同1.1%減から下方修正され、同6.5%減の5633万7400トンとなった。
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 ブラジルでは、多様な気候条件を利用し、3〜4月に収穫のピークを迎える第1期作と、3〜4月の大豆収穫後、大豆の茎や鞘を残したまま不耕起直播により、すぐにトウモロコシの作付けを行い7月に収穫のピークを迎える第2期作(裏作)を行われている。トウモロコシの出荷のピークをずらすことで、市場の供給過多を防止し、価格暴落のリスクを分散している。以前は、補完的な役割であった第2期作だが、近年、中西部を中心にその生産量は増加し現在は全体の4割弱を占めている。
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 総生産量の6割超を占める第1期作は、北東部を除き作付面積が減少したものの、生産期間を通じて天候に恵まれたことなどから、ほぼ全地域で単収が増加した。特に、北東部では、作付面積および単収が共に、大幅増となった。
 一方、第2期作は、主生産地であるマットグロッソ州(第2期作生産量シェア約35%)、パラナ州(同28%)およびマットグロッソドスル州(同14%)において大きく減少した。
 このうち、最大の生産州であるマットグロッソ州では、は種時期が前作の大豆の収穫遅れにより遅れた上、過剰な降雨があったこと、および生育期に乾燥した気候となったことから、単収が前年度比3.6%減と予測された。さらに、大豆の裏作としてトウモロコシと競合する綿花の価格が高騰したため、作付面積が同3.6%減の183万6300ヘクタールとなった。このため、生産量は同7.1%減の716万1600トンの見込みとなった。
 また、パラナ州およびマットグロッソドスル州では、作付時期であった5月の降雨不足、6月末の降霜および7月の過剰な降雨により単収がそれぞれ同30.5%および23.5%と大幅に低下した。このため、両州とも作付面積が増加したものの、生産量は同11.8%および12.7%の減少が予測された。
 降霜の影響はサンパウロ州の生産にも及んでいることに加え、今後も寒気の影響で、第2期作の収穫時期となっている主生産地でも霜が発生することが懸念されており生産への影響が懸念される。
【岡 千晴 平成23年8月12日発】
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