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2010/11年度の飼料穀物の生産量は過去最高レベル(ブラジル)

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トウモロコシは歴代2位、大豆は過去最高の生産量

 ブラジル食糧供給公社(CONAB)は9月9日、2010/11年度(10月〜翌9月)の最終報告となる第12回主要穀物状況調査を公表した。これによると、トウモロコシは作付面積1383万ヘクタール(前年度比6.5%増)、単収4.1トン(同3.6%減)、生産量5751万トン(同2.7%増)、大豆は作付面積2418万ヘクタール(同3.0%増)、単収1ヘクタール当たり3.1トン(同6.4%増)、生産量7532万トン(同9.7%)と予測された。いずれも好調な生産となる見込みとなり、トウモロコシは歴代2位、大豆は過去最高となり、双方合わせると記録的な生産量となる見込みだ。
表1,2

主産地で多雨などの影響を受けたトウモロコシと天候に恵まれた大豆

 トウモロコシ生産に関して、北東部は、は種時期に十分な降雨があり、適した天候であったことから、バイア州の第1期作が190万トンで前年度比17.4%増となるなど、同613万トンで同43.4%増と大幅な増加がみられた。しかし、中西部では大豆の収穫遅れから、裏作の第2期作トウモロコシの生産に影響を及ぼした。中西部およびパラナ州では、は種時期の多雨により成長が遅れた。また、マットグロッソドスル州、パラナ州およびサンパウロ州では、6月末の霜により単収が低下した。このため、マットグロッソ州では生産量762万トンで前年度比6.1%減、マットグロッソドスル州は353万トンで同5.5%減、サンパウロ州は同433万トンで同4.7%減、パラナ州は同1225万トンで同8.9%減、と軒並み減産となった。北東部が好調の一方、主産地の不調から過去最高を記録した2007/08年度を追い越すことはできず歴代第2位となった。
 大豆の主産地(中西部、南部)では、昨年9月以降のラニーニャの影響から11月頃は降雨不足となったため、は種の時期が遅れた。干ばつが懸念されたものの、年明け1月からは良好な天候となり、収穫のピークを迎える2月まで安定した気候となった。このため、全国的に単収、生産量ともに好調となり過去最高の生産量となった。
表3
表4
 ブラジルにおける飼料穀物の生産拡大の要因を見ると、大豆は作付面積の拡大によるが、トウモロコシは遺伝子組み換え品種など品種改良による単収の増加により増産を進めており、新たな作付面積の拡大はほとんど見られない。
図1
図2

2011/12年度もラニーニャ再来の兆し

 米国気象局は9月8日、8月に入り太平洋赤道付近の水温低下が確認されたことから、一旦終息したラニーニャが再来と報告した。これにより、穀物の主産地であるブラジル南部やアルゼンチンのパンパ地域では、2011/12年度のは種時期に当たる10月から12月にかけて降雨不足が懸念される。ブラジルでの生産拡大が進む中、ラニーニャ再来となれば2011/12年度の生産量に対する天候の影響は必至であり、今後、天候の動向から目が離せない。
【岡 千晴 平成23年9月16日発】
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